今回紹介するのは、Amazon 純正の「植物性レザーカバー」。Kindle Paperwhite 第 12 世代と ColorSoft 両対応で、公式から販売されている数少ない純正アクセサリーのひとつです。
にも関わらず、私が調べた限りネット上に「植物性レザーカバー」の日本でのレビュー記事を見つけることができませんでした。そんなの、興味が湧いてしまうってもんですよ。
というわけでこの記事では、この植物性レザーケースの素材の特徴から使い心地まで詳しくレビューします。
なお、もともと私は携帯デバイスを裸で運用する派閥に属します。これまでの Kindle Paperwhite はもちろん、iPhone もケースをつけずに使用しています。
理由は単純で、その方が軽く、薄く、快適に使えるから。そんな私であっても「植物性レザーカバー」は非常に気に入りました。おすすめできる商品です。


そもそも植物性レザーとはなんなのか

恥ずかしながら私はこのカバーを入手するまで植物性レザーが何者なのかを知りませんでしたので、調べてみました。
植物性レザーは、植物由来の繊維や原料をベースに、ポリウレタン樹脂などを混ぜて作られた合成素材とのこと。別名でヴィーガンレザーとも。環境を意識して生み出されたみたいですね。
代表例としてリンゴの皮やパイナップル葉、コルクなどを使った「アップルレザー」「ピニャテックス」などがあり、動物性原料を使わず、見た目や手触りを天然革に近づけているのが特徴です。
ただし言ってしまえば普通の合皮の一部素材が植物由来の原料に置き換えられただけで、品質や耐久面などの性能は合皮とほとんど変わらないよう。
よって天然レザーと比べて水濡れに強く扱いやすい点で優れる一方、ポリウレタンの加水分解によって寿命は 2 〜 5 年程度と短めになるようです。
以上の植物性レザーの長所・短所を表にまとめるとこんな感じ。
長所 | 短所 |
---|---|
水濡れに強く、メンテナンスが簡単 | 経年変化 (エイジング) がほとんどない |
天然革より軽量で、価格も抑えめ | 天然革と比べると耐久感・質感で劣る場合がある |
動物由来原料を使わない | 合皮同様、加水分解などによる寿命は避けられない |
他の純正カバーとの比較
Kindle Paperwhite 第 12 世代・ColorSoft 用の純正カバーは、植物性レザーのほかに「ファブリックカバー」「プレミアムレザーカバー」素材が売られています。
これらの純正カバーを私は所持していないので、Amazon レビュー等を参考に違いを簡単にまとめておきます。より詳細の情報は実際にこれらをお持ちの方のレビューを参考にしてください。
素材 | 価格 (2025/8 時点) | 特徴 | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|---|
植物性レザー (本記事で紹介) | ¥5,980 | 植物由来 + 樹脂の合成素材。見た目は天然革に近い | 水に強く、扱いや手入れが簡単 | エイジングがない / 加水分解のリスク |
ファブリック | ¥4,980 | 布地で上質な質感 | 純正カバーの中で最も安価 | 布がほつれやすい |
プレミアムレザー | ¥6,980 | 本革仕様で高級感あり | 経年変化を楽しめる | 傷や水に非常に弱い / メンテ必須 |



実際に使ってみたレビュー
見た目と質感

箱を開けた瞬間、想像以上の高級感に驚きました。
植物性レザーと聞いて合皮の安っぽさを想像していましたが、これはほぼ天然革と見分けがつかない質感です。iPhone の Apple 純正レザーケースに近い感覚といえばわかりやすいでしょうか。
表面はしっとりとした手触りで、指紋や細かな傷も目立ちにくい仕上げになっています。




サイズ感と重量

当然ながらカバー装着前の Kindle 本体よりも、装着後のサイズの方がやや大きくなります。ちょうどズボンのポケットに、本当に超ギリギリ無理やり入るくらいの大きさで、持ち運び時の俊敏さは明確に劣りますね。
重量は我が家にはかりがないので正確なことは言えませんが、持った感じ 100 g 未満のように思われ、非常に軽量です。
ただし重要なのは、カバー装着によってサイズ、重量ともに増加するにも関わらず、読書体験に悪影響はなかったということです。むしろケースの厚みが持ちやすさを促進してくれています。
これには現行の Kindle Paperwhite 第 12 世代 / ColorSoft が大きく薄く、そしてベゼルも狭いため、裸状態だとかえって操作しづらい感覚があったことに起因している印象がありますね。

耐久性
まだ使用開始から約 2 週間程度にしか満ちませんが、ほとんど毎日外出時に持ち出しています。にも関わらず表面に傷や汚れは肉眼では認められません。新品時と違いがわからないほど。


この変化のなさはエイジングを楽しみたい人には物足りないかもしれませんが、きれいな状態を気軽にそこそこに長く保ちたい人にとっては大きなメリットとなり得るでしょう。
裸派の私が Kindle にカバーが必須だと思った理由

先述の通り、私はこれまで一貫して携帯機器は「裸派」でした。でも初めて純正カバーを使ってみて、Kindle Paperwhite 第 12 世代 / ColorSoft においてはこの限りではないとの結論が出ました。理由は大きく次の 3 つ。
1. 開閉で自動 ON / OFF できる
カバーを開ければ Kindle が自動で起動し、閉じればスリープモードに移行します。
カバーなしでの運用だと、端末底部にあるスイッチを押す必要があり、いかにも機械的な操作が求められました。
カバーの開閉による動作はまるで紙の本を開閉するような読書体験があり、読書の開始と終了に心地よい区切りを与えてくれます。
2. ディスプレイ保護の安心感
現行の Kindle Paperwhite 第 12 世代・ColorSoft はガラス製ディスプレイが採用され、旧モデルや無印モデルの樹脂製よりも汚れや割れ・欠けに対してセンシティブな仕様になりました。
しかしながら保護フィルムを貼るとせっかくの低反射性能が著しく失われ、Kindle の強みである視認性が落ちてしまいます。
カバーなら反射を増やさず物理的な保護も可能なことから、おあつらえ向きな運用が可能になるのです。
3. 持ちやすさが向上する
前述したように、Kindle Paperwhite 第 12 世代・ColorSoft のサイズ感では裸運用をするよりも、ケースをつけた方がむしろ持ちやすく、読書体験が向上するように感じられました。
ただしこれに関しては個人差もあると思いますから、できれば家電量販店等でケースをつけた状態の Kindle をあらかじめハンズオンして確かめてみるか、返品前提で注文してみるのがいいかもしれませんね。

まとめ
Amazon 純正の植物性レザーカバーは、天然革のような高級感と、合皮並みの扱いやすさを両立した製品でした。
裸派だった私が「これなら使い続けたい」と思えた理由は、見た目や手触りだけでなく、読書体験そのものを心地よく変えてくれる点にあります。
私の総合評価を以下に記しておきます。改めて、おすすめできる商品でした。

- 高級感と実用性の両立
- 保護フィルムを貼らずにディスプレイを保護
- 開閉式カバーで心地いい読書体験
- 金額がそれなり
- 2 〜 5 年で加水分解するかもしれない


