これいる?
Apple が開発中、発表間近と噂されている新製品、「AirTags」。この名前はリーク物なのであくまで仮称ですが、スマートタグと呼ばれるジャンルに位置する製品であると言われています。
今回は「AirTags」とはいったいなんなのか。そもそもスマートタグってなんなのかということについてお話しいたします。
そもそもスマートタグとは
一言で言えば、「iPhone を探す」機能を古今東西、森羅万象に付与することができるアイテムです。シールやカード、キーホルダーなどに GPS や Bluetooth レシーバーを埋め込んだものをスマートタグと呼び、これを取り付けた物の位置を常に把握できるようにする仕組み。
主に次の 2 つの用途に用いられています。
スマートタグの機能 1: 忘れ物防止
Bluetooth 機能を使い、親デバイス (スマートフォンなど) との距離が離れると、音が鳴るなどして忘れ物をしていることの通知を出してくれます。
Bluetooth は概ね 10 m 前後の距離内であれば通信を維持できます (距離の長さは Bluetooth の規格によって前後します)。互いのデバイスがこの範囲内から出てしまうと、通信が断絶され、そのタイミングで音が鳴るというわけ。頭がいいですね。
スマートタグの機能 2: アイテムファインダー
GPS を使って、外出先で鍵やスマートフォンを落としてしまっても、その場所や時間の特定を可能とします。ペットや子供の持ち物に仕込んでおいて、行方不明になった際の対策としても使われるようです。
また、スマートタグ自体を発光させることによって、アイテムそのものを見つけやすくする機能搭載した製品もあるようです。これにより、「外出直前で急がねばならんのに財布が見つからん!」といったシチュエーションにも安心して対応できるようになるというわけ。
■Apple 製スマートタグ「AirTags」の噂
スマートタグの概要がわかったところで、続いて Apple 製スマートタグ「AirTags」についてみていきましょう。
2021 年 1 月時点で噂されている情報をまとめてみます。
iOS 14.3 ベータ版から発見された「AirTags」の機能情報
- Bluetooth により、「AirTags」を装着したアイテムの場所を「探す」アプリから確認できる。
- ユーザーはタグから警告を発することができる。
- 「AirTags」は Apple ID とリンクされ、他人の手に渡っても利用することができない。
- 「ロストモード」を有効にすることで、電話番号が Apple の Web サイトに表示される。「AirTags」を装着したアイテムを拾った人が、所有者に連絡できるようになる。
- サード製の紛失防止タグでも、「探す」アプリから見つけることができるようになる。
Apple ID とのリンクや Apple Web サイト連携機能以外に、これといった独自性はないように思えます。
リークされている「AirTags」の見た目とペアリング映像
これをみたボクの感想は「でっか」と、「重そう」。
話題にはなっている「AirTags」。冷静にこれ、いる?
正直のところ、話題になるたび「これいる?」とボクは思ってしまっています。
例えば「外出前のバタバタに一役買います!」と言われても、その魅力がいまいちピンときません。だって「鍵を置く場所はココ!」「スマートフォンを置く場所はココ!」「メガネを置く場所はココ!」と、あらかじめ自分でルールを決めておけばいいだけの話なので。
いやいや、その整理をするのが面倒くさいんだ! という気持ちもわからないでもないですが、一度家を掃除、整理してルール作りをしてみると、案外気持ちのいいものですよ。日常の所作も効率化され、時間の有効活用につながりますし。
また、「物をなくしたり盗まれたときの保険」というのも、海外向けのニーズだと思うのです。なくすリスクに関しては外出前のルール作りと同様、なくさないための工夫やルール作りをしておけばいいのです。また、盗まれるということについても、こと日本において自身が気を付けていれば滅多に被害に遭うことがありません。平和ボケと言われるかもしれませんが。
スリにはきちんと蓋のしまるカバンを使用することや、人通りの少ない道を避けることである程度の対策ができます。意外と気をつけるべきが置き引き。これは以前テレビ番組で知った情報ですが、特に飲食店での置き引きは思いのほか気が付かないようです。
会食中、テーブルにスマートフォンを置く癖がある方はご注意ください。会話をしている最中だと、思い切りスマートフォンを机上から奪われても気づけないらしい。このご時世会食なんかするなっていうのが本音だったりしますが。
もう一つ、ボクが実践している小技をご紹介します。新幹線などの長距離移動交通機関に一人で乗車中、トイレに行く際実践しているテクニックです。席を立つ際には荷物の上に、布切れ一枚乗せるようにしています。わかりやすい「しわ」を作っておいて。
席に戻ってきた際に布のたるみやしわに変化があれば一発アウト。すぐに駅員さんにご連絡。また、席を立つタイミングにも気をつけていて、駅から発車した直後を狙うようにしています。こうすることで、万が一のことがあっても犯人探しに一定の時間を確保することができるというわけ。
幸いにも、今のところ置き引きに遭遇したことはありません。そもそも乗車前にすませてしまって、乗車中は席から動かないことができればベストなんですけれどね。
閑話休題。スマートタグの必要性について。
スマートタグがあろうとなかろうと、結局のところ自身の所有物が一度でも他者の手に渡った時点で「終わり」という事実に変わりはありません。スマートフォンやパソコンを盗まれれば個人情報や各種情報が。財布であればお金がサヨナラバイバイです。仮に財布が戻ってきたとして、現金残高の確認や取り立てこそできても、クレジットカードの番号を控えられているかどうかは確認の術がありませんから、結局止める羽目になります。
一般に日本人の生涯年収の大多数は 2〜3 億円であると言われています。よほど高給取りの方以外は、この生涯貯金を切り崩しながら日常の食費や趣味活動に投資を行なっているわけです。
明らかにお金をかけずして対策できる事象に対しお金を払うよりも、身辺整理と自衛の心で対策した方がよくない?
生活に小さな彩りや便利さを提供してくれるのがガジェットの良いところです。ただ、その分投資先はしっかりと検討したほうが、人生より豊かに過ごせるのではないかなあというのが持論です。
と、ここまで割とこき下ろしてきましたが、たとえばお子さんやペットをお持ちの方には重宝するアイテムだと思います。もし誘拐されていようものでも、位置さえわかればこっちのもの感があります。
また、法人の場合にも役立つのではないでしょうか。社用 PC や外付けストレージの紛失が問題となり、ニュースに取り沙汰される事例が世の中山ほど蔓延っています。AirTags をはじめとしたスマートタグによって、こうしたリスクをある程度抑ることができそうです。
「AirTags」をはじめとするスマートタグは、しっかりと活用方法を見出してから購入したいデバイスであると言えるかもしれませんね。