2022 年第三クォーターにおける PC の出荷台数は Apple のみ増加傾向にあり、そのほかのメーカーはいずれも減少傾向にあると、グローバル市場調査企業の IDC は報告しました。
IDC によると 2022 年第三クォーター(3Q22)の PC 世界出荷台数は 7,430 万台。需要の冷え込みと供給の偏りにより、前年同期比では 15.0 % の縮小となり、全体的な PC 市場は縮小を続けているとのこと。
そんな中、Apple の Mac は前年比で 40 % 以上も増加したことが、この調査では示されています。ただ、市場で唯一の勝者となった Apple は、それでも全体の 4 位にとどまる結果となっています。
2021 年第三クォーターから比較した各社の出荷数推移は以下の画像の通りです。新しい「M2 チップ搭載の MacBook Air」の発売がこの結果を後押ししていると考えられます。
ちなみに市場規模は縮小の傾向が見られるものの、Windows 7 の企業向け延長サポート終了時期も目前に迫った影響もあり、依然として市場の規模はコロナ禍以前の水準を大きく上回っているようです。
それでも「今後は市場規模は後退していくだろう」と、IDC の Mobility and Consumer Device Trackers リサーチ・マネージャーである Jitesh Ubrani 氏は語っています。
「ここ数年の半導体供給不足により、プレミアムモデル製品のプロダクト・ミックスへ移行が積極的に進んでいます。これに部品や物流のコスト上昇が加わり、ASP (平均販売価格) は 5 四半期連続で上昇し、1Q22 の 910 ドルは 2004 年以来の高値となりました。しかし、需要の鈍化、プロモーションの本格化、受注減により、2Q22 には ASP の上昇幅が逆転しました。3Q22 も ASP が低下していることは、市場が後退していることを示しています。
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS49755822
2022 年秋〜 2023 年春にかけて、Apple は新型の「MacBook Pro」や「iMac」、「Mac Pro」 を発表するとの噂があります。
Apple は、独自に開発した Apple Silicon が強力で電力効率が高く、お値段も控えめな点が評価され、2020 年から Mac のシェアは急速に拡大しています。
厳しい市場環境の中、Apple が今後どれほどシェアを伸ばし続けるのか、注目が集まります。