Anker の最上位充電器「Anker 747 Charger (GaNPrime 150W)」を購入したのでレビューします。
Anker 747 Charger のスペック
- 150 W 給電 (1 ポート最大 100 W まで)
- USB 4 ポート内蔵 (type-A x 1 / type-C x3)
- サイズ: 約 68 x 61 x 31 mm (※プラグ部を除く)
- 重量: 約 232 g
用途は出張や旅行、帰省といった外出先用です。
出力量とポート数が神
この充電器の最大の特徴は、圧倒的な出力量とポート数です。
150 W という規格外な出力によって、ボクのメインガジェット「16 インチ MacBook Pro」「iPhone」「Apple Watch」「ミラーレス一眼レフカメラ」の 4 つを同時に充電してもなお余力があります。
※ 1 ポートあたりの最大出力量は 100 W なので、16 インチ MacBook Pro を高速充電することはできません。
※ 14 インチ MacBook Pro であれば問題なく高速充電することができます。
この充電器を入手する以前、ボクは 2 つの充電器を持ち歩いていました。MacBook Pro 用の Apple 純正充電器を 1 つ、iPhone と Apple Watch を同時に充電できる Anker の 2 ポート充電器を 1 つといった具合に。
充電器を 2 個も持ち運べば当然かさばるし、重たいし、ケーブル差し替えの手間も発生したりで何かと不便。
しかもカメラ用の充電器を持ち歩いていなかったので、iPhone や Apple Watch の充電状況を見ながら、タイミングを見計らって差し替えて対応する必要がありました。
今回の Anker つよつよ充電器のおかげでめっちゃ快適になったわけです。
サイズも驚くほどコンパクト – Apple 純正 30 W 充電器とほぼ一緒
スペックだけではなくサイズにも驚かされました。150 W 対応しているとは信じられないほど小さいです。
実際に Apple の 140 W 充電器と比べてみましょう。
すごくないですか? 超コンパクト。
Apple の 30 W 充電器とも比べてみましょう。
まさかのほぼ同じ! 流石に 30 W 充電器の方が気持ち小さいですが。
「なんでこんなに小さくできんねん。」そのヒミツは Anker の独自技術「GaNPrime」にあります。
「GaNPrime」は一般的な充電器に使用される素材であるシリコンの代わりに、GaN (窒化ガリウム) を使用。シリコンよりも電力損失が少なく、発熱を抑えられるため小型化が実現できます。
その上で電源 IC や基板の配置を工夫することによって、「小型化」「高出力」「同時充電」を同時に可能にしたのです。
GaNPrime については Anker のオウンドメディア『Anker Magazine』内でより詳しく紹介されているので、気になる方はこちらからご覧下さい。
実際に充電してみた……が、初期不良くさい
というわけで年末年始、帰省した際に早速使ってみました。小さいしデバイスたくさん充電できるしサイコー!
……と思っていた矢先。充電中の iPhone が不穏な挙動を見せ始めます。
iPhone「ポロン (充電開始の音) 」
——ん? 充電器には繋げっぱなしのはずなのに、どうして充電開始の音が今なるんだろう。
iPhone「ポロン (充電開始の音) ……ポロン (充電開始の音) ……ポロン (充電開始の音) ……ポロン (充電開始の音) ……ポロン (充電開始の音) ……(ry」
\キェェェェェェアァァァァァァバグッタァァァァァァァ!!!/
充電が断続するバグが発生
というわけでバグりました。どうも 2 ポート以上同時に接続すると電力供給が断続してしまいます。つまり一瞬充電されるけどすぐに途絶えて、また一瞬充電されて……と繰り返されてしまうわけですね。
ただ、2 ポート以上接続していれば必ず発生するというわけでもありません。普通に充電できる時もあれば、普通に充電できていたはずなのに、突然断続し始めることもあります。
あらゆるポートに挿し直したり、デバイスを切り替えたりしてみましたが状況は変わりませんでした。原因が特定できない不具合って一番厄介なんだよなあ。
で。
不具合が起きていない時、747 Charger は素晴らしい便利さでした。
前述の通りの 4 つのデバイスを同時にバッチリ充電してくれます。16 インチ MacBook Pro は高速充電こそできませんが、他 3 ポートを占有した状態で『Cties Skylines』で遊ぶなどして電力を大きく消費してもしっかり充電されます。
で。
不具合が起きているときは、最悪でした。
一瞬充電されて、切れて〜〜が繰り返されるので、全く充電が進みません。むしろ充電開始のたびに iPhone や Apple Watch の画面が点灯するので、むしろバッテリーが減っていってしまいます。本末大転倒って感じですね。
今回は帰省中で暇な時期だったからまだいいですけど、例えば「出張中で翌日は朝から仕事、夜に充電器に繋いだはずなのにちゃんと充電されていませんでした」なんてシチュエーションに遭遇する可能性を考えると、ちょっと身震いしてしまいますよね。
流石に初期不良だと思う (そう思いたい) ので、お正月が明けてからサポートに問い合わせてみることにしました。
サポートに問い合わせるとまさかの展開に……
初めて Anker 社のサポートに問い合わせました。そういえば昔は Anker 製品には「Happy or Bad?」みたいに書かれた小洒落た用紙が入っていた記憶があるんですが、747 Charger には入っていませんでした。無くなってしまったんでしょうか。少し残念。
閑話休題。公式 Web サイトからお問い合わせフォームに投稿し返信を待ちます。1 日後、返信が来ました。
「747 Charger (GaNPrime 150W)」がうまくご利用できないことでご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございません。
恐れ入りますが、以下をご確認いただいてもよろしいでしょうか。
・各ポート毎に接続されているデバイス情報をご教示ください。
・単ポートのみで接続された際にも同様の症状がみられるか、ご確認ください。
・iPhone 14 Pro
・Apple Watch 6
・MacBook Pro 16 インチ (2021、M1 Pro) です。
単ポートでは症状が確認できていません。
※ 帰省中はカメラを使わなかったので充電もしませんでした。ので 3 ポートで報告しています。
ここから 4 日間連絡が途絶え、以下の返答が返ってきました。
本製品は USB-A ポートと USB-C1 ポートに同じ線路を使用しています。
その中の一つのポートからデバイスを充電途中、もう一つのポートにデバイスを挿す、抜くと、一瞬充電が停止して、すぐ充電を再開する症状が発生しています。
2 つのデバイスを充電いただく際に、USB-A ポートと USB-C2、C-3 ポートをご利用いただき様子を見ていただけないでしょうか。
え、これって仕様ってことですか?
じゃあ 4 デバイスを同時に充電しようとしたら、この症状は避けられないってことですか?
そして翌日
4 ポート全てご利用いただいた場合につきましては、接続されるデバイス等にもよるため、ご回答が出来かねております。
回答が難しい旨、承知いたしました。
ご返信いただきありがとうございました。
ということで、この不具合はまさかの「仕様」だということがわかりました……。なんてことだ……。
充電器は不便でも、純正品を使うのが一番いい
「まともに使えることができれば」最高の製品になり得た Anker 747 Charger (GaNPrime 150W) 。
でもまともに使えないんだから、それはもう充電器としての役割を果たしているとは言えませんよね。「一日使い切ったデバイスたちを充電しながら床についたかと思ったら、翌朝全く充電されていませんでした」とか、怖すぎてそんな充電器を使えるわけがありません。
結局信頼性が一番大事ってこと。重たくても、持ち運ぶ機器の数が増えてしまっても、純正の充電器を使うのが一番安心で確実なんですね。
15,000 円もしたんで (実際にはセールで 12,000 円くらいでしたが) 安物買いの銭失いってわけでもないと思うんですが、まあ純正と比べたら安物ってことで、いい勉強料になりました。
747 Charger、4 ポートフル活用して充電をしようと考えている人は、絶対に買わないことをおすすめします。
えーと、ボクが持ち運ぶ 4 つのデバイスを全部純正の充電器で揃えようとすると……。
「140W USB-C電源アダプタ」「デュアルUSB-Cポート搭載35W電源アダプタ」「α7C 付属 AC アダプタ」の 3 つが必要になるってことですね。そこそこかさばるラインナップだなあ。
でも、致し方なし。みなさんも充電器問題にはくれぐれもお気をつけを。
その後、サポートの方から返品・返金のご提案をいただきましたので、本品は返品することにしました。