NAS には 4 TB HDD が最適な理由

せっかくの NAS。8 TB や 16 TB などの大容量 HDD を積みたくなるものです。でも、ボクの場合は 4 TB までに制限した方が、運用上最も効率的だったことがわかりました。

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バックアップまで考慮すると、4 TB はコスパがいい

NAS は、NAS 本体用に HDD を用意したらおしまい! ……ではありません。NAS のバックアップ用に、外付け HDD も用意する必要があります。

そして、このバックアップ用の外付け HDD は、できれば NAS 本体用の HDD より 2 倍の容量があることが望ましいです。

例えば NAS 本体に 2 TB の HDD を搭載する場合、外付けは 4 TB 欲しい。NAS 本体が 8 TB だったら、外付けは 16 TB、という感じ。

ここで問題になるのが、外付け HDD のラインナップ。16 TB の外付け HDD もあるにはあるのですが、値段が高いです。

『価格.com』で 8 TB の NAS 用 HDD が約 35,000 円に対して、16 TB の外付け HDD は 50,000 円。NAS 用の HDD と金額が逆転していますね (記事執筆時点)。

対して、4 TB の NAS 用 HDD は約 20,000 円。そして、8 TB の外付け HDD は 19,000 円。これはお得感があります。

2 ベイで RAID 1 を組む想定をすると、NAS 用 HDD は 2 本必要になりますよね。この時、HDD の金額を容量で割ると、大体前者は 1 TB あたり 3,750 円、後者は 3,700 円と、ほとんどほとんど一致します。

8 TB や 16 TB の HDD は単品だと容量あたりの金額が最もお得であることが多いですが、一式で揃えるとこのように逆転現象が起こることもある、ということです。

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そもそも NAS にバックアップは必要なのか?

ボクは必須だと考えています。これは、NAS で RAID 1 を組んでいても、です。

よく言われていることですが、RAID 1 はバックアップではありません。RAID 1 はあくまで、2 台の HDD を同期しているだけ。データを間違えて消しちゃったり、破損した時、同期しているもう一台の HDD でも即座にデータが消えてしまいます。

しかし、バックアップを定期的に取っておけば、バックアップを取っていたタイミングまでデータを遡って復元することができます。

NAS はあくまでもメインストレージ。バックアップは、別の場所に用意するようにしましょう。

なんでバックアップに 2 倍の容量が必要なの?

実は、バックアップ用の外付け HDD には必ず 2 倍の容量を確保する必要はありません。最低限、NAS 本体と同じ容量の HDD があれば良いです。

しかし、2 倍の容量があると、非常に安心できるバックアップ環境を構築できます。これは、Synology NAS だと無料で使える「Hyper Backup」という機能をフル活用できるからです。

Hyper Backup は、あらかじめ設定しておけば、決まった期間に、決まった分のバックアップを勝手に取り続けてくれるという優れもの。

そして、Hyper Backup は、ただバックアップが取れるだけのものではなく、バージョン管理までできてしまいます。

つまり、昨日の分のバックアップ、先週の分のバックアップ、先月の分のバックアップ。色々なタイミングのバックアップデータを保管できるので、どんなデータ破損トラブルが発生しても、ほとんどの状況でデータを復元できます。

このデータ保管期間をできる限り伸ばすために、NAS 容量の 2 倍の容量があれば盤石だ、ということになります。

長期視点でコストを試算する

ここで HDD の容量あたりのコスパの話に戻ってみましょう。NAS 用 HDD を 8 TB にしたときも、4 TB にしたときも、ほとんどコスパの差がないとお話ししました。

それでも、実際にかかるお金は当然、8 TB 側の方が高いです。8 TB の方は、外付け HDD を含めた金額が約 12 万円。4 TB の方はその半分、約 6 万円で済みます。

そしてもう一つ大事なことがあります。それは、「HDD には寿命がある」ということです。

一般に HDD は 5 年程度で故障すると言われています。つまり、どんなに大容量の HDD を用意しても、遅かれ早かれ数年後には必ず買い替えなければなりません。

よって、NAS 用には闇雲に大容量の HDD を用意するのではなく、自身に合った容量の HDD を用意することが大切ですね。

ちなみにボクは、NAS 用に新しく 4 TB を購入していますが、容量は割とすぐに不足するだろうという目測があります。写真のデータ量はバカになりません。

それでも 4 TB にしたのは、資産の流用ができるからです。NAS 用 HDD の交換にあたって、これまで使っていた 2 TB の NAS 用 HDD が 2 本、バックアップ用の外付け HDD 4 TB が浮いてしまいます。

これらの浮いている HDD に、NAS から古いデータを随時移動して、長期保管用に使用する。そんな計画をしています。

大体、ボクのペースだと 1 年間で写真が 1 TB 分くらい撮り溜まります。古い写真から徐々に浮いている HDD に移動させていけば、4 TB HDD の寿命が来るまで十分に運用できるだろうと計算しました。

大容量データ管理にはコストがかかる (まとめ)

こんな感じで、大容量のデータを管理しようとすると色々と考えなければならないことが続出します。そして、お金もかかります。

これは NAS じゃなくてクラウドストレージを使う場合も同様ですね。むしろデータ量が増えるほど、クラウドストレージは割高です。

ですからできるだけ、長期視点を持ちながらコスパの良い運用方法を考えていきたいですね。

今回はNAS 用には 4 TB がおすすめだという体でお話を進めてきましたが、もちろん、予算が許すなら大容量 HDD を用意できるに越したことはありません。一度に管理できるデータ量が増えますから、ある程度データ管理が雑でも物理の力で乗り越えられます。色々な面で楽ができます。

お金がある人はできるだけ大きな容量を買いましょう。

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