「最近、集中力が続かない……」「仕事が全然進まない……」そんな経験ありませんか?
まさしく直近のボクが、そんな状況でした。
仕事をする時はもちろん、趣味だってそうです。何かタスクを始めたと思っても、すぐに他のことが気になり始めて、作業が中断。そんなことが日常茶飯事になっていました。
これはいけません。集中力を取り戻すために、ここ数ヶ月の間で様々な手法を試していました。
そしてついに、最も効果的な解決方法を見けることができました。今のボクは、直近の自分が嘘のように仕事に集中できています。
そして集中力が高まったことで、日常の中で感じていた細かなストレスまで減って、心身ともに健康度が増しました。
ボクが見つけた解決方法は実にシンプルです。
それは、シングルタスクを徹底することです。
マルチタスクを徹底的に排除すると、集中力は格段に上がる
シングルタスクを意識するようになった前後で、集中力の持続時間が全く違うことに自分自身が驚いています。
シングルタスクを行うには、当たり前のことですが、マルチタスクをやめなければなりません。
普段の生活の中で、「マルチタスクをこなしているぜ」と認識している人は、そう多くないと思います。
ところが知らず知らずのうちに、実質的にマルチタスクを行なっている場面が、日常の中の至る所に隠されていることにお気づきでしょうか。
そんな隠されたマルチタスクをやめる上でボクが気をつけたことを、3 つ紹介します。
1. 画面にはアプリケーションを一つしか映さない
「Word ファイルを探すために Finder を開いて、プレゼン資料を修正するために PowerPoint も開いておいて、情報を探すために Web ブラウザも立ち上げて、作業を報告するために Slack も立ち上げて、クライアントとコミュニケーションするためにメーラーも開いておいて……」
といった感じで、PC で作業をしていると、いつの間にか画面に複数のウィンドウが散らかっていること、ありませんか?
実はこれが、集中力を妨げる大きな原因になっています。
机の上や部屋は、綺麗な方が集中できますよね。PC の画面だって同じことです。なので作業をするウィンドウ以外は、画面に映らないようにしましょう。
そうすると自然と、シングルタスクに集中することができるようになります。
例えば Windows を使用する場合、アクティブウィンドウを最大化することで対策ができます。
Mac の場合は同様に最大化してもいいですし、「ステージマネージャ」機能を使用するのもおすすめです。
2. メーラーやチャットアプリは違う仮想デスクトップに追いやる
仕事中に最も集中力を奪われる瞬間は、メールやチャットによる横槍が入ったときです。
せっかくタスクに没頭していてもノイズとして入り込んでくるこれらは、シングルタスクを極める上での天敵だと言えます。
そこでボクは、メーラーやチャットアプリに二つのルールを設けました。
- メーラーやチャットアプリを仮想デスクトップに追いやる
- メールやチャットを確認する時間を決めてしまう
よっぽどの緊急案件を抱えていない限り、一日の初めに、「この時間はタスクに集中」「この時間はメールチェックや関連タスクを処理」と、あらかじめ決めてしまうのです。
これだけでも頭の中がクリアになって、ストレスから解放された気分になれますよ。
さらに後でご紹介する「ポモドーロ・タイマー」と組み合わせることで、より効果的に集中することができます。
3. ながら見をしない
シングルタスクを極める上で最も重要なことが、「ながら見」をやめることです。
リモートワークの機会が増え、ついつい「YouTube を見ながら」とか、「音楽を聴きながら」作業をしてしまいませんか?
これがダメなのだと気づきました。動画や音楽が流れているだけで、脳のリソースがそちらに使われてしまうからです。
つまり動画や音楽を流しながら仕事すると、意図せぬ間に、マルチタスクを延々と続けている状態に陥っているといことになっているのです。
2018 年に発表された、アーカンソー大学 コートニー・ローレン・ウィルソン氏による研究 や、2019 年のモントクレア州立大学・ラトガーズ大学の共同研究 でも、複雑なタスクをする上で、BGM は作業効率を落とす要因になると結論づけられています。
なので何かタスクを行うときには、BGM や動画を流さないことにしました。
シンプルですが、これだけで集中力は著しく変わります。
【CHECK】日常シーンでもながら見を禁止しよう
そして集中力を高める上で重要なことが、流し見をやめることは仕事をしている時に限らず、日常のあらゆるシーンで有効だということです。
例えば通勤中。YouTube を PinP で流しながらニュース記事を読むのも、ながら見です。
例えば食事中。スマートフォンを触りながら食べることも、ながら見です。
これらをやめて、ボクは脳が非常にスッキリしました。ある意味で、マインドフルネスの考え方に近いかもしれません。
とはいえ、職場だと周りの席がうるさいだとか、何かしら音がないと集中できないという気持ちもわかります。
そこで有効なのが、ホワイトノイズです。例えば以下のような YouTube 動画を活用することができます。
ポモドーロ・タイマーアプリ、または Mac や iPhone の「バックグラウンドサウンド」のホワイトノイズを使うことも有効です。
ただしホワイトノイズは、通常の音楽と比べると集中力に対してポジティブな効果をもたらしやすいですが、人によってはネガティブな影響を与えることがあることも、多くの研究で示唆されています。
ご自身の体質に合うかどうか、しばらく試してみることをおすすめします。
集中力を高めるトレーニングを行う
マルチタスクの排除に加えて、そもそも自身の集中力を高めるトレーニングを行うことで、一層効果が高まります。
ボクは次の 3 つに取り組んだ結果、これらの相乗効果によって、無敵の集中力が手に入れられた気がしています。
4. 読書をする
集中する癖を作る訓練のために、読書を導入しました。ボクは子どもの頃、それなりに読書家で、またそれなりに偏差値が高い方の学生でした。
あの頃は無限に勉強に打ち込めていたことを思い出しての読書投入です。
そしてこれが、思ったより有効だったと実感しています。理由は定かではありませんが、おそらく次の 3 つが要因なのでしょう。
- 活字を読む訓練になり、書類や資料のチェック時の負担が軽減される
- 語彙がインプットされ、仕事でのアウトプット時に言葉のチョイスがスムーズになる
- 読書自体が集中を要する行為なので、集中することに慣れる
実際に読書による集中力向上の効果は、2016 年のサム・ヒューストン州立大学・テキサス A&M 大学の共同研究 によっても示唆されています。
読書の仕方は問いません。紙の本でも、電子書籍でも大丈夫です。ボクは 2015 年制の化石 kindle Paperwhite で読書をしています。
読む書籍の内容も同様で、なんでも構いません。自己啓発本でも、ライトノベルでも、お好みの本を手に取るのが良いでしょう。
もちろん読書をする上でも、「ながら見」をしないことに気をつけましょうね。
ちなみに最近読んで面白かったのは、次の二冊です。
5. ポモドーロ・タイマーを導入する
時間を管理することも、集中力を高める上で重要なテクニックです。
人間の集中力には限界があることは、みなさんご存知の通りです。
では人間は、どれくらいの時間集中力を持続させることができるのでしょうか。
実はまだ、正確にわかっていません。ボクが調べた限りだと、人間の集中力に関する学術的な研究はほとんどありませんでした。
一部では「集中力の持続時間は金魚以下のたった 8 秒だ」とか、「人間の集中力は最大限もって 90 分と言われている」とか、色々な説が出回っています。
しかしどちらも、学術的な研究で裏付けられたものではありません。
とはいえ日常の中で、「自分と比べて、あの人の集中力は半端ねーな」と感じることはありますよね。
例えばボクがよく見る YouTuber、「東海オンエア」てつや氏の場合。動画の編集模様を YouTube ライブで配信することがたまにあり、平気で 10 時間ぶっ通しで編集していたりします。
少なくともボクにそんな所業は無理なので、おそらく、人によって集中力の持続時間は大きく異なるのでしょう。そういう意味で、己の力で集中力を維持できる人は、才能があると思った方がいいですね。
ボクのような才能のない一般人には、集中力の維持を手助けしてくれるツールが必要です。
そのツールこそが、ここまでで何度か触れてきた「ポモドーロ・タイマー」です。
ポモドーロ・タイマーは「25 分間の集中タイム」と、「5 分間の休憩時間」を交互に繰り返すポモドーロ・テクニックを、自動的に実現してくれるものです。
「今回の 25 分間の中で実施するタスクはこれ!」と完全に決め切って、それ以外の情報やタスクをシャットアウトしてみましょう。
こうすることでマルチタスクを防ぐことができますし、疲れすぎない程度にタスクに集中して取り組み続けることができます。
ポモドーロ・タイマーの導入には、「Focus To-Do」アプリがおすすめです。比較的シンプルな使い勝手で App Store、Microsoft Store、Google Play ストアからダウンロードができ、無料で使えます。
App Store
Microsoft Store
Google Play ストア
iPhone や iPad、Apple Watch とも連携できるので、シームレスにタイマーを確認することも可能です。
また Focus To-Do アプリには、集中に役立つホワイトノイズを流す機能もついています。
集中タイムに自動的に流れ始め、休憩時間になると自動で停止してくれるので、メリハリをつける上で重要な役目を担ってくれます。
個人的には「渓流」や「かがり火」の音が、程よくリラックスしながら集中することができて、おすすめです。
6. 日常にトレーニングを組み込む
筋肉は裏切らない。ということで筋トレも日常に取り入れました。運動が集中力の向上に有効であることは、あらゆる研究の中で示されています。
しかし筋トレを習慣的に行うのは、なかなかハードルが高いですよね。
そこでおすすめするのが、ポモドーロ・タイマーとの組み合わせです。25 分の集中タイムでタスクをこなし、5 分の休憩中に筋トレをするのです。
座りっぱなしによる健康への悪影響を防げますし、次のタスクに対してスッキリした気持ちで挑め、さらに睡眠の質まで向上します。まさに、いいことづくめです。
ボクは 5 分間フル活用してトレーニングをしているわけではありません。「腕立て伏せ 20 回」「スクワットを 30 回」 などのように、1 〜 2 分程度で終わる回数にしています。
休憩時間に疲労困憊に陥ってしまっては本末転倒なので、あくまでタスクへの集中力が継続できるようになることを最優先にしています。
ながら見をやめることによる弊害はないのか
ボクの趣味の一つは情報収集です。
お気に入りのサイトや、ためになるサイトを片っ端から feedly に登録しては、舐め回して見ることが日課でした。
YouTube だってそうです。再生速度を 1.5 倍 〜 2 倍速にして経済や写真に関する勉強や、もちろんエンタメ要素にもよく見ていました。
ながら見をやめるという事は、これらの情報に触れる機会が減ることを意味しています。
ボクはシングルタスクに取り組む以前、得られる情報が減ることに対して大きな懸念がありました。
しかし実際にやってみると、体感の上で得られる情報量は、以前と比べて減ったようには感じられません。
もちろん厳密に触れた情報量を測定すれば減っているかもしれませが、むしろ体感の上では一つひとつの情報に真剣に向き合うようになったため、インプットのクオリティが上がったようにすら思えます。
だから安心して、ながら見を止めることができました。
集中力を高める裏技
少し応用編というか、ボクがパソコンオタクだから実現できている、集中力を高めるための裏技をご紹介します。
ボクはタスクごと、または環境ごとに端末を使い分けるようにしています。
- ワークする時には MacBook 16 インチ
- エンタメを楽しむ時には MacBook Air 13 インチ
- シームレスに作業したい時には iPad Pro 13 インチ
といった具合。こうすることによって勝手に脳のモードが切り替わって、リラックスタイムや、やる気スイッチのオン・オフができるのです。
多くの人は PC などの端末を複数台持っていないと思いますので、なかなか再現できないと思います。
そこで、代わりに場所を変えることがおすすめです。
ボクの自宅は L 字デスクにしていて、最近は片面をワーク用、もう一方をエンタメ用として使い分けるようにしています。
必ずしも机でなくても、例えばソファの上やベッドの上など、どこでもいいので、「ここは 〇〇 するための場所」をルール化すると、集中力を保ちやすくなりますよ。
「生産性向上アイテム」の落とし穴
実は最近、ウルトラワイドモニタは生産性を高めてくれるとは、一概に言えないと実感しています。
動画編集をする場面においては、明らかに生産性向上の効果を発揮してくれます……が。
でもそれ以外の場面では、両端の領域を持て余しがち。むしろ眩しい画面に囲まれてしまうので、集中力が阻害されているようにすら思うようになってきました。
個人的にはウルトラワイドモニタを使うくらいなら、ラップトップの小さい画面で作業をする方が、よほど集中することができています。
ただしそれでは姿勢が悪くなってしまうので、結局 24 〜 27 インチ程度の普通の外付けディスプレイを用意するのが、最も良い選択肢だと思います。
他にも多種多様な生産性向上のためのガジェットが世の中に出回っていますが、結局「PC 本体」と「マウス」の 2 点セット (デスクトップの場合は「ディスプレイ」と「キーボード」を足した 4 点セット) だけで運用するのが、個人的には一番しっくりきています。
たとえ便利アイテムだとしても、置けば置くほど机の上が散らかって、かえって集中できなくなってしまうからです。
ここはスッキリ好きか、ごちゃごちゃ好きかによっても意見が分かれるところだと思います。
自分にとってどちらの方が快適なのかを見極めて、準備することが重要ですね。
まとめ
今回紹介したボク流の集中力を高める方法は、以下の通りでした。
- マルチタスクの排除
- 1. 画面内のアプリケーション数を 1 つだけにする
- 2. メールやチャットは違う仮想デスクトップに追いやる
- 3. ながら見をやめる
- 集中力を高めるトレーニング
- 4. 読書をする
- 5. ポモドーロ・タイマーを使う
- 6. トレーニングをする
- 裏技
- 端末や場所を切り替える
これらによってボクは、加齢に伴い失ってしまったと思っていた集中力の、大部分を取り戻すことができました。
ぜひ皆さんも、取り入れてみてください。
個人的に最も効果が大きかったのは、やっぱり「ながら見をやめる」ことですね。
情報で溢れている現代社会において、脳のリソースを適切にコントロールすることが重要であることに、身をもって気がつけるはずです。