ミラーレス一眼カメラ、「α7C」を購入してから約 2 年が経過しました。
この α7C はボクにとって初めてのカメラで、大いに期待を込めて購入したのですが、初めは強い後悔の感情がありました。
それが今では、購入してとても良かったと思えるまでになりました。
なぜそう思えるようになったかは、この写真群をご覧いただければ納得いただけることでしょう。当然ですが、全てボクが撮影しました。クリックして拡大できます。
カメラの素人であっても、こんなに美しく魅力的な写真が撮影できます。あまりに気に入りすぎて、PC の壁紙に設定しちゃうほど。これが α7C もといミラーレスカメラの良いところですね。
この記事では、なぜ α7C の購入後に後悔し、何がきっかけで良かったと感じるようになったのか。そして α7C の長所と短所について語ります。「ミラーレス一眼カメラに手を出してみようと思っている」、「α7C の購入を検討している」方にとって、きっと参考になると思います。
α7C購入の動機と後悔に至る経緯
ボクは風景、特に夜景を美しく撮影したくて、カメラを欲していました。
α7C を選んだ理由は、夜景に強いフルサイズセンサーを搭載しつつ、フルサイズセンサー搭載カメラとしては最もコンパクトなサイズで、手軽に使えそうだったからです。さらに、店舗でいくつかのカメラを比較した際、α7C のデザインが一番気に入ったのも購入の決め手でした。
そんな背景から α7C を手に入れたボクは、外出してたくさんの写真を撮るだろうと予想していました。
しかし、そうはなりませんでした。
なぜなら、ボクは元々あまり外出せず、休日は家で過ごすことが多かったからです。カメラを買ったからといって、その生活スタイルが変わるわけではありませんでした。
このブログ用の写真など、家の中での撮影が主となり、物撮りを時折するだけの日々が続きました。確かに、iPhone よりははるかに美しい写真が撮れますが、本体とレンズを合わせた約 30 万円という出費を考えると、そのコストパフォーマンスは疑問でした。
また、動画も撮りたいという希望が、カメラ購入のもう一つの動機でした。しかし、α7C の動画機能は期待ほどでなく、iPhone の方がより手軽で美しい映像を撮影できることが判明しました。
このような結果から、せっかく購入した α7C の使用頻度は低く、楽しみながら写真を撮る機会も少なかったのです。
以上が、α7C 購入を後悔した理由です。
後悔から一転、購入を良かったと感じるまで
しかし、2 年が経つ今、その感情は大きく変化しました。それは、α7C で撮影する写真の美しさに気がついたからです。
ボクは昨年、iPhone 14 Pro を購入しました。この iPhone 14 Pro で撮影する写真は極めて綺麗で、ますますミラーレスカメラなど不要だと思うようになっていました。
しかしある時、気づいたのです。「iPhone の写真は、iPhone の画面で見ると綺麗に見えるが、PC の画面で見ると画質が荒い」ことに。
確かに古い iPhone で撮影したものに比べれば格段に美しく撮れていますが、それでも限界があります。PC の壁紙には、とてもじゃないけど設定しようと思えません。ボクがこの記事を執筆している 2023 年 6 月時点で最新の iPhone 14 Pro でさえ、これ以上の写真は撮れないのです。
そう認識した途端、iPhone への興奮が冷めました。そして、α7C への熱が再燃したのです。
α7C で撮影する写真は、iPhone で撮ったものに比べて明らかに美しく、鮮明です。そして、α7C で撮影する写真の美しさに気がつけば気がつくほど、写真撮影が楽しくなり、あの時カメラを購入して良かったと思うようになったのです。
α7C の魅力
軽量でコンパクト
α7C は、一般ユースで最大サイズの「フルサイズセンサー」を搭載し、画質が極めて優れています。このフルサイズセンサを搭載したカメラの中でも、α7C は最小クラス、最軽量クラスであることが特徴です。
2020 年の発売ながら、2023 年 6 月現在でも、その地位は揺るがないままです。コンパクトなサイズでありながら、高解像度の写真や動画を撮影することが可能です。
実際に他のカメラを持ってみると、その軽さに驚くでしょう。特に、長時間撮影するとき、腕の疲れが大きく軽減されます。一度 Canon の EOS R6 を借りて撮影に行った際、撮影翌日、ボクは α7C では経験したことのない手首の筋肉痛に見舞われました。
また、そのコンパクトさは、小さいバッグにも難なく収まるという利便性をもたらします。そのため、とりあえずカバンに α7C を忍ばせておいて、写真を撮りたい時に取り出すといったことが気軽に行えるのがとても良いです。
洗練されたデザイン
これは個人の好みにもよりますが、ボクは α7C の見た目が大好きです。
多くのカメラには中央上部にファインダーがあります。その構造が個人的にあまり好みではありません。
しかし、α7C はその部分が平らで、スマートな印象です。シルバーカラーがそのシルエットを一層引き立て、購入の強い動機につながりました。
ただし、その代わりに α7C のファインダーは本体左上に極小サイズで配置されています。ファインダーを多用する人にとっては、この配置は致命的なデメリットにもなり得るため、注意が必要です。
優れた画質のバランス
α7C の画素数は約 2,400 万画素で、画素数が扱いやすい水準に収まっています。
Sony の他機種と比較すると、最も高画素のカメラ α7RV の画素数は約 6,100 万画素。最も低画素のカメラは α7SIII で約 1,200 万画素となっています。
高画素数になると画質は綺麗になりますが、一方で夜景などの暗所での撮影が難しくなることがあります。α7C はバランスの取れた画素数を持っていて、手持ちでも気軽に夜景を撮影することができ、また、画質の劣化も感じにくいです。
α7C の不足点
結局でかいし、重い
α7C は小さいとはいえ、それはあくまでカメラの範囲内での話です。スマートフォンと比較すれば、やはりカメラは大きく、重いです。そのため、スマートフォンほど気軽な取り回しは難しく、また街中での使用には多少の抵抗感があります。
生活習慣の健全化に期待はできない
「カメラを持っていれば、より多くの場所に出かけるようになり、休日が充実する」という期待は必ずしも現実化しないかもしれません。カメラを活用して外出し、写真を撮るためには、それなりの意志と行動が必要です。
少なくともボクは購入から 2 年間、引きこもり体質が変わることはありませんでした。
動画撮影性能は iPhone 以下
α7C で撮った動画は、解像度こそ iPhone よりも優れていますが、iPhone は HDR 撮影に対応していて、色表現が綺麗です。α7C の色表現は、時代遅れのように見えます。
また、手ぶれ補正も優秀で、α7C と比較すると揺れが少ないです。というかむしろ、α7C は手持ちでは揺れすぎて話になりません。
これは、iPhone や α7C などのカメラの動画性能を比較した動画です。
写真と比べると動画は色味や手ぶれの編集が難しいため、動画撮影を主目的とするなら、α7SIII や ZV-E10 など他の機種を検討することを推奨します。
まとめ
カメラや写真を楽しむというのは、実に面白い経験だと気が付きました。
手持ちで気軽に撮影するものから、三脚を使って本格的な夜景を撮影するまで、α7C は幅広い用途に対応しています。
その一方で、α7C の後継機種の発売が噂されています。新型は動画性能も改善されると予想されています。
もしも動画撮影をメインに考えているなら、ボクなら新型の発表を待ちます。
しかし、動画撮影が主目的でなく、写真撮影を考えているなら、α7C は今すぐ手に入れても後悔しないでしょう。決して安い買い物ではありませんが、人生で一度でもカメラを持ってみたいと思う人にとっては、自信を持っておすすめできます。
余談ですが、α7C 自身を、α7C を使って撮影できないのがとてももどかしいんですよね。この記事の α7C は、iPhone 14 Pro を使って撮影しました。もしかして、こんな感じでサブ機が欲しくなってくるんでしょうか。