2023 年 12 月 7 日に発売された、「SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports (2023)」を発売日に予約購入しました。
ボクにとっては初めて購入する望遠ズームレンズです。
この記事では E マウントの望遠ズームレンズに強力なライバルが多くいる中、あえて SIGMA を選んだ理由。そして、実際の作例を踏まえたこのレンズのおすすめ度をお伝えします。
初めに結論を述べておくと、めちゃくちゃいいです。おすすめです。
今回のレビュー対象
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports を購入した理由
このレンズをチョイスした理由は大きく 3 つあります。
1. 所有レンズを SIGMA で統一したかった
2. コスパが良い
3. 黒一色のデザイン
1. 所有レンズを SIGMA で統一したかった
理由の一つ目は、SIGMA のレンズで統一したかったということです。ボクはこのレンズの他に、以下の 2 本のレンズを所有しています。
- SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
- SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
SIGMA のズームレンズの操作感は独特で、他の E マウントズームレンズとは大きく違います。
というのも、SONY 製をはじめとする他のズームレンズは、ズームリングを「時計回り」に回すとズームできます。しかし SIGMA だけは、「反時計回り」に操作してズームするのです。
ご覧の通り、僕が所有しているのは全て SIGMA のズームレンズ。過去に SONY 純正レンズをレンタルして使った時、操作感の違いに戸惑って、シャッターチャンスを逃してしまうことが多くありました。
したがって、操作感は統一したかったので、この SIGMA 70-200 F2.8 DG DN OS | Sports を選びました。
2. コスパが良い
2 つ目の理由はコスパ。値段ももちろん非常に重要な要素です。
SONY の純正レンズは、実売価格で F2.8 通しの GM レンズで約 33 万円。F4 通しの G レンズで約 22 万円です。
F2.8 通しの GM レンズ (最高級)
F4 通しの G レンズ (廉価版)
対する SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports も、約 22 万円します。実は、F4 でよければ純正が買えてしまうほどに高額です。
それでも手持ちで夜景を撮りたいボクにとって F2.8 通しの魅力は大きく、F2.8 で比べた場合には純正より 11 万円ほど、価格に優位性があります。
この差も、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports を選択する大きな理由になりました。
もちろん SIGMA のレンズは画質にも定評があり、その点は安心して選ぶことができます。
3. 黒一色のデザイン
3 つめの理由は、デザインが好みだということです。
70-200mm をはじめとした望遠レンズの多くは、白色であることがほとんどです。特に SONY 純正は全ての望遠レンズが白色です。
「あの白色が良いんだよ!」という意見にもとても共感しますが、個人的には「他のレンズが黒色なのだから、望遠レンズも黒色で統一できた方がより美しいよね」と思う派です。
よって、真っ黒なデザインを採用している SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports は、そういう意味でも魅力的でした。
作例とレンズの特徴
作例で見る優れた画質
このレンズの優れた画質や性能についてお分かりいただくために、作例をご覧いただきましょう。
あらかじめお伝えしておくと、このレンズが優れていると感じたのはポイントです。
・解像度がとても高い
・色の再現性が高い
・ボケ感が自然で美しい
・手ぶれ補正が強力
・オートフォーカスが優秀
なお、いずれも カメラ α7C で撮影し、Lightroom で現像しています。なお、ボクは主に風景写真を撮影していているため、ポートレート写真等の作例はありません。
撮影に使用したカメラ
作例 1
写真の手前から奥まで非常にパキッと解像度高く写っています。また、明暗のコントラストが非常に滑らかで、綺麗に出ています。
作例 2
明暗のコントラストだけでなく、発色もとても優秀です。海の青、木々の緑、鳥居の朱。どこをとっても鮮やかで明瞭です。
作例 3
明暗と色、どちらもグラデーションを美しく捉えます。
作例 4
ボケ具合も優秀です。前景の枝のパキッとした写りに対し、中景以降のボケ方が自然で落ち着きがあります。
作例 5
もちろん前ボケも美しく写ります。
作例 6
ここまでパキッとカリカリな写真をご覧いただきましたが、このような柔らかな描写も得意です。
作例 7
手ぶれ補正が強力なため、暗所でも安心して SS を稼ぐことができます。
作例 8
夜景も手持ちで非常にクリアに撮影できます。
作例 9
オートフォーカスも十分に早く、突然動物が現れても安心してシャッターを切れます。
以上の写真から分かるように、画質の面では申し分ない性能を有しています。
これらの他にも、このレンズで撮影した、ボクのお気に入りの作品を「2023 年ベストショット」記事で紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。
取り回しの悪さが随所で目立つ
画質や価格が文句なしの一方、これらを代償に取り回しの悪さが目立ちます。
・三脚座の取り外しがアホほど面倒臭い
・レンズフードの取り外しが面倒臭い
・寄れない
個人的に最も気に入らないのは、三脚座です。GM レンズをはじめとしたレンズでは、三脚座をワンタッチで取り付け可能です。
しかし、このレンズは違います。ネジで固定する必要があり、しかも専用の六角レンチを用いて、4 本ものネジを留めなければなりません。
手持ち撮影、三脚での撮影の切り替えがとても煩わしいです。多少重たくなっても構わないので、ワンタッチで着け外しできる形式にして欲しかったところです。
レンズフードの取り付け方法もイマイチです。こちらも三脚座と同様、ネジで留めなければなりません。指で取り外しができる分、三脚座と比べればマシですが、時間がかかります。これも一般的な回して着ける形式にして欲しかったです。
もう一つ、致命的に寄れません。ワイド端で 65 cm、テレ端では 100 cm も距離を稼ぐ必要があります。SONY 純正 G レンズだと 26 cm (W) – 42 cm (T)、GM でも 40 cm (W) – 82 cm (T) と雲泥の差があります。このレンズでテーブルフォトの撮影は夢のまた夢です。
なお、ズームリングがレンズの先端に配置されている点について、ネット上では不評な声が多くあるようです。しかし、個人的には特に使いづらいと感じません。むしろズームリングに手を添えて撮影すると、重心の関係で重量がスペック数値以上に軽く感じられ、使いやすいとも感じます。人によって好みが分かれる部分なのだと思います。
望遠レンズでの風景撮影は思った以上に撮りやすいし、面白い
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports を購入して、気がついたことがあります。
それは、望遠レンズでの風景撮影は思った以上に撮りやすいし、面白いということです。
元々ボクは広角の写真が好きで、望遠レンズにはあまり興味がありませんでした。購入こそしたものの、工場夜景などを撮りに行く時くらいにしか使わないかなと思っていたほどです。
しかし、実際に街撮りに出かけると、すぐに望遠レンズの魅力に気がつきました。
「あそこの光、きれい!」「あの建物の構造、かっこいい!」
そう感じた景色を、ピンポイントで切り取ることができる。これは広角レンズ、標準レンズでは難しかったことです。望遠レンズならではの面白さだと思います。
また、ピンポイントで切り抜けるということは、余計な情報が画角に入りづらいということでもあります。
つまり、広角レンズと違い、ある程度雑に狙っても、手軽にそれなりの写真を撮ることができるのです。そういう意味で、望遠レンズは使いやすいのだと思いました。
もちろん、ワイド端の 70mm はお世辞にも広い画角とは言えません。スナップ撮りをする中で、もっと広い画角が欲しくなる場面は多々あります。一方で、先にも述べた通り、望遠レンズだからこそ撮れる画もたくさんあります。
ボクは「標準ズーム」→「超広角レンズ」→「望遠レンズ」の順でレンズを揃えましたが、超広角レンズよりも先に望遠レンズを買った方が後悔は少ないかもしれません。広角レンズの写真は面白くかっこいいものの、被写体が限られ、使える場面が少ないので。
望遠レンズをご検討のそこのあなた、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports おすすめですよ。