iPhone の「バッテリーの状態」が 2 年間「83 %」のママなんですけど💢

そんなこと、あり得る?

ボクの iPhone 8 Plus、購入から 3 年以上経過しています。現在の「バッテリーの状態」は 83 %。

iPhone「バッテリーの状態」確認画面

そこそこ長い期間使用している割には結構いい数値だと思いませんか? 20 % 弱しか劣化していないのですもの。しかし、この数値には「裏」があります。

なんとこの 1 年以上 (というかほぼ 2 年間) にわたって 83 % から変動がないのです。そんなことあり得ます?

ボクは「Apple の技術がすごい!」と褒めるべきなのか、「意図的に数値コントロールしてんじゃねーのか!?」と憤りを感じるべきなのか困惑しています。

どういうことか、順を追って解説していきます。

目次

iPhone にとって「バッテリー劣化は大問題」

みなさんご存知の通りバッテリー (正確にはリチウムイオンバッテリー) は消耗品です。

使っていくうちに最大容量が徐々に減少し、一度に充電できる電池量が少なくなるので電池のもちが悪くなります。

さらに iPhone の場合、この最大容量の低下に伴って iPhone 自体のマシンパワーが低下する問題があります。具体的に説明しましょう。

新品の iPhone はバッテリー最大容量が 100 % の状態です。当然、iPhone のパフォーマンスも 100 % 発揮されます。

バッテリー最大容量は前述の通り使い続けていくうちに減っていきます。元々 100 % だった最大容量が、ついに 80 % を下回る日が来てしまいした。すると iPhone は「おいおい、このバッテリー大丈夫かよ」と不安を覚え、自身がクラッシュしなように「ピークパワー」を「制限」し始めます。

これが、iPhone のマシンパワー低下問題です。

「最大容量」が 80 % を下回ると、ここの表示が切り替わります。

マシンパワーが低下すると全体的な動作がもっさりし始めます。

アプリの起動やWebサイトの閲覧が元々はサクサク動いていたはずなのに、マシンパワーの低下によってワンテンポ待たされるようになるわけです。

この仕様は当初公開されたものではなく、隠されたものでした。しかし、iPhone を使い続けているうちに iPhone の動きがもっさりし始めることに体感で気がついたユーザーが登場。

そして 2017 年 12 月にベンチマークテストの統計を Geekbench がまとめたことにより原因がバッテリーであることが特定され、ついに問題が発覚します。

iPhone Performance and Battery Age – Geekbench
https://www.geekbench.com/blog/2017/12/iphone-performance-and-battery-age/

これら一連の騒動は「バッテリーゲート」問題と呼ばれており、結果 Apple は集団訴訟を受けるまでの大きな問題に発展。

Apple は和解策として 540 億円の和解金の支払いに応じたほか、「バッテリーの状態が 80 % を下回ったバッテリーを無償で交換する」サービスも同時に開始しました。

そして 2018 年、iPhone のバッテリー状態を確認できる機能と、バッテリー劣化による性能制限を解除する機能を搭載した iOS 11.3 を Apple が配信。これによってユーザーはいつでも iPhone のバッテリー状態を確認できるようになりました。

なお、バッテリーの状態は以下の手順で簡単に確認できます。

「バッテリー充電の最適化」が本当に優れた機能なのか?

さて、本記事冒頭に掲げたボクの悩みを振り返りましょう。

>「意図的に数値コントロールしてんじゃねーのか!?」と憤りを感じるべきなのか

ここまでお読みいただいたらもうお分かりかもしれません。

83 % で一年間以上 (ほぼ 2 年間) 変動がないのは、Apple がバッテリーの無償交換を避けるためにこれ以上バッテリーが劣化していないことにしてるんじゃないか説があります。

だってこの変動しない期間に入る前の 1 年間は、17 % 分のバッテリーが確実に劣化していたんですよ。急に減らなくなるなんて、信じられます?

一方で、本当にバッテリーの状態は悪化していない可能性も捨てきれないのです。

その理由こそ、「バッテリー充電の最適化」機能です。

「バッテリー充電の最適化」機能の設定画面

これは、バッテリー劣化の最大の要因である「充電」をシステムでコントロールして、バッテリーの寿命を延長する機能です。2019 年に配信された iOS 13.1 から追加されました。

そしてなんと、「バッテリー充電の最適化」機能が登場したタイミングは、ボクの iPhone のバッテリー状態が 83 % から変動しなくなったタイミングとぴったり重なります。

ボクはこの機能を常にオンにしています。もしこの機能によってバッテリー状態が維持されているのだとしたら、これはとんでもない優れたシステムだと言わざるを得ません。

iPhone 13 で検証予定

本当にバッテリー充電の最適化機能による恩恵で 83 % から減らないのか、Apple の陰謀によって減らないものなのかどうかを検証する術が、残念なことに今ボクの手元にありません。

そこで、今年購入予定の iPhone 13 を使って「バッテリー充電の最適化」機能の真の実力を測りたいと思います。

検証方法は実にシンプル。バッテリー充電の最適化機能をオンにした状態で、毎朝バッテリーの状態を確認します。

100 % の状態をキープできたら Apple の勝ち。数値が変動したら我々の勝利です。

ボクはただの Apple 信者のように見えるかもしれませんが、そうではありません。素敵なプロダクトをこよなく愛する一般ユーザーです。

ダメなところにはきちんと No を突きつけます。

ともに暴こうではないか。Apple の闇を。

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