「M2 Pro / MAX」発売直前の今、「M1 Pro」の MacBook Pro を購入した理由

実は今週 (2022 年 10 月)、M1 Pro 搭載の MacBook Pro 16 インチモデルを Apple Store でポチりました。

このモデルは 2021 年 11 月の発売以降、2022 年 7 月に円安で値上げされ、さらに後継機 M2 Pro / MAX の登場も目前とされる中、なぜボクはこのタイミングでポチったのか。

今回はこの理由についてお話しします。

ボクと同じように、今まさに購入するかどうかで悩んでいる方は多いと思いますので、何かしら参考になれば。

目次

M1 Pro / M1 MAX の購入タイミングとして、今は「最悪」

なぜ今「M1 Pro / MAX」の購入が最悪のタイミングなのか?

ある程度 Mac に詳しい方ならお分かりになるかもしれませんが、今 M1 Pro / MAX 搭載の MacBook Pro を購入するのは一般に「最悪なタイミング」とされます。

理由は前述した通りで、大きく二つあります。

一つは「7 月に値上げされていて、発売当初に購入するより 3 割ほど割高」だということ。当初の価格から 1.3 倍近い価格になりました。要するに負け組タイミングでの購入ってこと。

そしてもう一つが、「M2 Pro / MAX 搭載の MacBook Pro が 11 月に発売されると言われている」ということです。新型になれば、一層強力なパワーと電力効率が得られることが約束されています。

どちらも正直かなり耳が痛い話ですが、それでもボクはこのタイミングで M1 Pro チップ搭載 16 インチ MacBook Pro の購入を決断したのです。

購入した M1 Pro 16 インチ MacBook Pro のスペックは?

今回ボクが購入した MacBook Pro のスペックは以下の通りです。

  • 機種: MacBook Pro (16 インチ, 2021)
  • SoC: M1 Pro チップ (10 コア CPU、16 コア GPU)
  • メモリ: 32 GB
  • SSD: 1 TB

吊るしモデルからメモリを 16 GB → 32 GB に、SSD を 512 GB → 1 TB にカスタマイズしています。

最優先事項はメモリ 32 GB へのカスタム。詳細は後述しますが、現在のメイン機 M1 MacBook Air が 16 GB メモリで不足する場面が多くて困っているので。

SSD 容量は正直お守り的なアップグレードです。ボクは NAS で全てのデータを管理しているので、Mac のローカル上には普段 100 GB 程度のデータしか保存していません。

ただ、たまに動画編集をするときに素材データが 500 GB をオーバーすることがあるので、余裕を見て 1 TB にした感じ。

M1 MAX ではなく M1 Pro を選んだ理由は?

MacBook Pro の購入にあたって、M1 Pro と M1 MAX の選択が、最も悩まされた部分でした。

M1 Pro の魅力はなんと言っても性能とバッテリー持ちのバランス。

M1 MacBook Air で感覚がバグってしまったボクの体には、「バッテリー持ちの良さ」がラップトップ PC を選ぶ上で最も外せないポイントのうちの一つです。

ボクは MacBook で主に「ドキュメントワーク 6 割」「写真編集 2 割」「動画編集 2 割」といった感じに作業します。これらはほとんど以下のアプリで完結します。

  • Safari (Web ブラウジング、YouTube、ブログ執筆)
  • Keynote / Pages / Numbers (ドキュメントワーク)
  • メール / Discord / Slack (コミュニケーション)
  • Affinity Photo (写真編集、画像編集)
  • Final Cut Pro (動画編集 *4K・24p)
  • Catalyst Brows (動画編集)
  • OBS (YouTube ライブ配信)

M1 MAX は、これらの作業に対して完全なオーバースペックです。

M1 MAX はその優れた性能の高さを代償に M1 Pro と比べていくつか欠点があります。

  1. 価格が割高である (最大 + 56,000 円)
  2. バッテリーの消費速度が著しく速い
  3. 冷却ファンが回転しやすい

こうした負の側面を考えれば、M1 Pro 一択のように思えますよね。

にも関わらず、ボクが最後まで悩み続けた唯一にして最大の理由が、「M1 MAX ならメモリを 64 GB まで盛ることができる」という点です。

そう、M1 Pro では 32 GB までしか対応していないのです。

多くのネット記事では「メモリは 16 GB で十分 (なんなら 8 GB でも)」と書かれていますが、ボクの環境では 32 GB メモリでも本当に足りるのかかなり怪しいです。

なぜならボクが画像編集に使っているアプリ、「Affinity Photo」が、とにかくメモリ食い虫だから。

一眼レフカメラで撮影した Raw データ (写真を編集するときに使う高画質な写真の元データ) を開くと、なんと 1 ファイルあたり 500 MB も消費してしまいます。

今のメインマシン M1 MacBook Air の搭載メモリは 16 GB。この環境では一度に 3、4 枚ずつしか快適に編集ができず、とにかくこれがストレスでしてね。

2022 年 10 月 27 日 追記: メモリ 32 GB の Mac で開くと 1 枚で 1 GB も消費しました……。全体のリソースに合わせて使うメモリを調整しているっぽい……? でも 10 枚以上開いてもまだ余裕が残るようにはなりました。

さらに Final Cut で重たい動画を編集をしようとすると、メモリ 16 GB だとどうしても書き出せないなんて事態に陥ることもありました。

そもそも普通に Safari や Discord、メールアプリなどを開いているだけでも 12 GB 前後のメモリが使用されていて、16 GB メモリって実は結構余裕がありません。

Safari と メールと Discord を起動した状態のメモリ使用率

M1 チップ以降は SSD が高速化したといえども、メモリが不足してスワップが発生すると、体感できるほど Mac の動作は遅くなります。

こんなことが 2 年間で積み重なってきていて、仕事用の 14 インチ MacBook Pro (メモリ 16 GB) でも似たような感覚なので、メモリ 16 GB 以下の選択肢は個人的には絶対にナシ。

Affinity Photo のことを思うとむしろ、32 GB でも正直足りないんじゃないかと疑念を抱いています。外出したら写真って数十枚〜数百枚撮ったりしますからね。一度にたくさん編集できた方が嬉しいんです。

「それじゃあやっぱりメモリを 64 GB にするために、M1 MAX にした方がいいのかなあ?」

という思考になるわけです。でも M1 MAX はバッテリー持ちが悪いのと、ファンが回っちゃうのが個人的にどうしても許し難い。

ということで悩んだ末、一旦 M1 Pro メモリ 32 GB モデルを買ってみて、メモリが不足するようなら返品して、M1 MAX 64 GB モデルに変更しようというプランで行くことにしました。

M2 MacBook Air や 14 インチ MacBook Pro の選択肢はなかったの?

仕事用の 14 インチ MacBook Pro

ないです。なんとしてでも 16 インチの大画面モデルが欲しかったから。ボクは外部ディスプレイなしでもストレスなく作業ができる環境が欲しいのです。

14 インチ MacBook Pro は仕事用に所有していて、これも毎日使っていますが、体感の画面サイズは 13 インチの MacBook Air とほとんど変わりません。結構小さいです。

M2 MacBook Air はメモリ搭載限界が 24 GB までという点も、個人的にはだいぶイマイチポイントです。

「最悪」なタイミングで M1 Pro の購入を決めた理由

実はもう半年以上も前から、「M2 Pro / MAX が出たら 16 インチ MacBook Pro を買うぞ」と決めていました。

ですから正直、M1 Pro をこのタイミングで買うのは、かなり苦渋の決断でした。

それでも、大きく 3 つの理由で、ボクにとっては今のこのタイミングこそが新しい Mac を買う最良のタイミングだろうと判断したのです。

理由 1: メイン機 M1 MacBook Air のスペック限界と不調

M1 MacBook Air

Mac 新調の動機は、今のメイン機 M1 MacBook Air に不満を抱き始めたことから始まりました。

ボクは 2020 年の発売と同時に購入した M1 MacBook Air をずっと継続して毎日使用しています。

M1 の性能は素晴らしく、入手以降はかつてメイン機だった自作 Windows PC の使用機会を完全に奪い去ってしまいました。自作 PC は今年ついに売ってしまって、2022 年は完全に M1 一本体制に。

それほど M1 MacBook Air は、ボクにとっては十分な性能でした。

ただ、最近はボクの PC に求めるスペックが徐々に上がってきました。その結果、ついに M1 の限界が見えてしまったんです。

具体的には前述した画像編集でのメモリ不足、動画編集での全体的な性能不足など。特に後者は作業を完遂できないのでかなり致命的。

また、動作の不安定さも目立つようになってきました。とにかく Safari がバグりまくります。

先日記事にしたバグの他にも細々したバグが起こって、その都度 macOS を再インストールして解決するんですが、少しするとまた同様のバグが発生する無限ループに突入してしまうんですよね。

仕事用の 14 インチ MacBook Pro には Safari のバグが起きないので、おそらく M1 MacBook Air のハードウェア面にどこか狂いが生じているのだろうと予想しています。

現状プライベート用の PC は M1 MacBook Air 1 台だけ。故障してしまうと大変困るので、早めに 2 台体制に戻したいという思いも強くありました。

理由 2: 止まることを知らない円安の進行

円安。これこそがボクに購入を決断させた最も大きな理由の一つです。

この記事を執筆ている時点での最安ドル円は 151 円台。日本政府の介入によって一時的に 147 円台あたりになっていますが、まだまだ右肩下がりに円安が進んでいく見通しとされています。

ボクが購入した 16 インチ MacBook Pro は米国価格で 3,099 ドル。記事執筆時点では、同モデルは日本円で約 42 万円 (1 ドル 125 円) です。

これが先日値上げされた iPad と同様の 1 ドル 140 円レートになると一気に約 48 万円に。1 ドル 150 円なら約 51 万円にまで跳ね上がります。

そもそもの発売当初の同モデルの日本価格は約 35 万円 (1 ドル 107 円) でしたからね。1 ドル 150 ドルと比べると 15 万円以上も値上がりしてしまうことになるんです。

そうなると流石に手を出しづらすぎるので、今この 125 円レートのタイミングで買っておこうという判断に至りました。

理由 3: M2 Pro / MAX が M1 シリーズより高額になる可能性もある

3 つ目の理由もお金の問題。

M2 Pro / MAX MacBook Pro の販売価格が、M1 Pro / MAX のそれと同額になるとは限りません。

むしろ他の Apple 製品の傾向を見ると、値上げされると考えておいた方がいいレベルです。

MacBook Air を例に考えてみましょう。M1 が 999 ドルだったのに対し、M2 は 1,199 ドルになりました。200 ドル分ベース価格が上がっていますね。

「M2 MacBook Air は筐体のデザインが変わったから価格が上がったんじゃないの?」

では筐体が一切変わらなかった、13 インチ MacBook Pro の価格推移はどうでしょうか。

M1 搭載 13 インチ MacBook Pro は 1,199 ドルでした。対して M2 搭載 13 インチ MacBook Pro は 1,299 ドル。こちらも 100 ドル値上がりしています。

この傾向から、M2 Pro / MAX のベース価格も上昇するだろうと推測できます。

ベース価格が上がれば、前述の円安係数が重なって、一層手が届かない価格になってしまう可能性が大いに考えられます。

確かに M2 Pro / MAX の新しさや、向上する性能に興味はあります。とはいえ M1 Pro でも (メモリの不安は除いて) 今のボクにとってはすでにオーバースペックな側面も強い。

価格と魅力を天秤にかけて、今回は価格を優先して M1 Pro の購入に踏み切った次第です。

到着予定日は 2022 年 10 月 24 日 (月曜日)

ポチった時点では同年 10 月 28 日 (木曜日) が到着予定日とされていたんですが、いつの間にかずいぶん早まって週明けには手に入る見込みです。

個人的には週末に手に入ってくれた方がもろもろの検証時間を稼げるので嬉しかったりする側面もありますが、まあ早く手に入るのもそれはそれでちょっと嬉しい気持ちもあるので、今はちょっと複雑な心境だったりします。

ついに憧れの MacBook Pro 16 インチが手に入るワクワクを噛み締めながら、あと数日を過ごしたいと思います。

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