日本時間午前 2 時から始まった Apple Event。いつも通り前日 21 時に寝て、当日 1 時 50 分に起きてプレゼンテーションを視聴しました。
今回発表された製品は以下の 8 つ。
- AirPods Pro 3
- Apple Watch Series 11
- Apple Watch SE
- Apple Watch Ultra 3
- iPhone 17
- iPhone Air
- iPhone 17 Pro
- iPhone 17 Pro MAX
私が狙っていた製品のうち、実際に発表されたのは「AirPods Pro 3」と「iPhone 17 Pro MAX」だけでしたね。AirPods Pro 3 は速攻で予約注文しました。無事に発売日に入手ができる予定です。
Apple Silicon の登場以降、毎回さながら主役のように扱われてきた Mac の最新情報はなく、iPad も同様でした。Apple の中で一番好きな製品が Mac シリーズな私にとっては、やや寂しさを覚えるイベントになりました。
Apple Event 直前の私の気持ちをまとめていた記事がこちら!

さて、今回発表された製品のほとんどが、過去シリーズからのマイナーチェンジだった言っていいでしょう。
技術的な視点では数年前には実装できていたものを、あえて小出しにして「革命を起こしているんだ」感を醸し出している印象を受けざるを得ませんでした。
つまり、あまりワクワクしない (つまらない) Apple Event だったということです。
Apple Event で発表された主要商品とその感想
AirPods Pro 3

価格は 39,800 円 (税込) で、すでに予約を受付中。9 月 19 日 (金曜日) より販売開始です。
AirPods Pro 3 はあらかじめ狙っていた製品という色眼鏡もあってか、比較的ワクワクしながらプレゼンテーションを聞いていました。
前世代との進化点はこんな感じ。
- 世界最高* のインイヤーアクティブノイズキャンセリングが実装された
- AirPods Pro 2 から最大 2 倍、初代 AirPpds Pro から最大 4 倍の性能
- * Apple 曰く世界最高とのこと
- 外音取り込みモードが強化された
- 空間オーディオ機能が強化された
- 低音域が強化された
- 外観デザインが変更され、より小さく、より多くの人の耳の形に適合しやすくなった
- Apple Watch のように心拍数や運動の記録ができるようになった
- IP57 の防塵性能と耐汗耐水性能を獲得
- AirPods Pro 2 は IP54
- ライブ翻訳機能が実装された
- 発売日時点で日本語には非対応
- バッテリー持続時間が伸び、最大 8 時間の音楽再生に対応した
- AirPods Pro 2 から 33 % の増加
内蔵チップが H2 から変更がない点以外は、順当進化しているように見受けられる内容が並んでいます。
個人的にありがたいと思った追加機能は、運動記録機能です。Apple Watch でええやんと思われるかもしれませんが、そうではありません。
筋トレすると汗をかいてしまいますよね。Apple Watch をつけて筋トレをすると、その後にバンドを洗濯しなければなりません。これが地味に面倒くさいんですよ。

AirPods Pro であれば (おそらく) 洗濯しなくても問題ないはずなので、筋トレがより身近になものになります。運動記録をしたいけれど Apple Watch は面倒、という人にとっての最適解になりそうです。
価格は 4 万円とやや高価ですが、手が出ないほどではありませんから、迷わず購入することができました。
Apple Watch Series 11

価格は 64,800 円 (税込) から。すでに予約を受付中。9 月 19 日 (金曜日) より販売開始です。
率直に言って、今回の Apple Event のなかで一番しょうもない内容でした。Apple Watch Series 11 の特徴は以下の通り。
- ガラスが丈夫になり傷や割れに強くなった
- 5G モバイル通信に対応した
- 睡眠スコア計測に対応した
- 運動中に励ましの言葉をかけてくれる機能「Workout Buddy」が使えるようになった
- バッテリーが最大 24 時間持続するようになった
- Apple Watch Series 10 から 6 時間増加
睡眠スコアなんて今までの Apple Watch でも提供できそうなものですけどね。何せ睡眠トラッキング自体は今までの Apple Watch でできています。睡眠スコアはそれをただ分析しますって機能にしか見えないので。

これを最新シリーズの特権としてしまうのはちょっと……。
Apple Watch SE (第 3 世代)

価格は 37,800 円 (税込) から。予約・販売スケジュールは Apple Watch Series 11 と同様。
3 年ぶりの SE シリーズの刷新で、こちらは順当な進化に見えます。
- 各種機能が追加された
- 睡眠スコア、過去の排卵を推定する機能、睡眠時無呼吸の通知、バイタルアプリでより詳しいデータを提供するための手首の皮膚温センサーなど
- S10 チップが採用された
- 常時表示ディスプレイ、ダブルタップと手首フリックのジェスチャー、デバイス上の Siri、高速充電に対応
- 5G モバイル通信に対応した
- ガラスが丈夫になり傷や割れに強くなった
Series 11 と比べて劣っているのは「ディスプレイの大きさ及び仕様」「心電図アプリが使えない」「血中酸素を測れない」「防水性が低い」「バッテリー持続時間が最大 6 時間短い」くらい。
他の機能はほとんど同様に使えるので、上記の機能が不要な人には魅力的な選択肢になることでしょう。価格も控えめですからね。
Apple Watch Ultra 3

価格は 129,800 円 (税込) から。予約・販売スケジュールは上に同じ。
元々超スーパーウルトラハイパーギャラクシーアウトドア派の人向けな製品なだけあって、正直なところ今回の進化がどれだけ有用なものか、ビッグバンインドア派の私にとってはわかりませんでした。
進化点はこんな感じ。
- ディスプレイが LTPO3 対応になり視野角が広がった
- 前世代の Series 10 と同等
- 上空 1,200 km にある衛星を経由した SOS を発信できるようになった
- 5G モバイル通信に対応した
- 手首フリックのジェスチャーに対応した
- バッテリーが最大 48 時間持続するようになった
- Apple Watch Ultra 2 から 6 時間増加
- 約 45 分で 0 % から 80 % まで充電可能になった
- Apple Watch Ultra 2 から 15 分短縮
- 15 分の充電で最大 12 時間駆動するようになった
エベレストを登ったりするような人にとっては重宝する機能なのでしょうか。先に述べたとおり、私にはわかりません。
iPhone 17

価格は 129,800 円 (税込) から。予約注文は 9 月 12 日 (金曜日) からで、発売は 9 月 19 日 (金曜日) とのこと。デザインは前世代から変更なし。
- ストレージが 256 GB スタートになった
- ProMotion テクノロジーで最大 120 Hz に対応した
- 常時表示ディスプレイに対応した
- 前面ガラスが「Ceramic Shield 2」に進化し対擦傷性が前世代と比べて 3 倍高くなった
- 全面ガラスの反射防止性能が高まった
- A19 チップが搭載され処理性能が向上した
- ディスプレイサイズが 6.5 インチに大きくなった
- iPhone 16 から横幅はそのままに、縦に伸び、 0.2 インチ拡大
- 超広角カメラが 48 MP に対応した
- iPhone 16 時点では 12 MP
- フロントカメラのセンサーサイズと解像度が向上し、使い勝手と画質が向上した
- バッテリー持続時間が最大 30 時間のビデオ再生に増加した
- iPhone 16 時点では最大 22 時間
- Bluetooth 6 に対応した
- 物理 SIM が廃止された
ついに ProMotion ディスプレイに対応した模様。「iPad Air」への ProMotion 適用も期待ができる意味で、比較的ワクワクしながら見ることのできたプレゼンテーションでした。
iPhone 16 からの進化も大きいので、割と狙い目のモデルになりそうです。
個人的には前面ガラスの対擦傷性がどれほどのものかが気になっています。画面保護シートを貼らなくても済むほどの性能であれば嬉しいんですけれどね。
なお、iPhone 16 が 128 GB モデルのみ、114,800 円 (税込) で継続して販売されています。さらに 16e も 99,800 円 (税込) からで引き続き販売。

価格差は 256 GB の iPhone 17 と比べて iPhone 16 とは 15,000 円 (税込)、iPhone 16e とは 30,000 円 (税込) です。
安さを求める人は 16e に行くでしょうし、そうでない人は 17 に行くでしょう。16 くんは 17 を買わせるための心理的なデコイとして、無理やり生かされ続けている印象を受けました。
iPhone Air

価格は159,800 円 (税込) から。予約・販売スケジュールは iPhone 17 と同様です。
iPhone Air は、2025 年から登場した完全新作の iPhone シリーズとなりました。「17」のナンバリングもついていないため、来年以降の扱いがややこしくなりそうでもあります。
その特徴は、なんと言ってもその薄さ。iPhone 17 Pro MAX と比べて 3 mm 以上も薄く、68 g も軽いボディはまさしく Air の名を体現していますね。iPad では Air よりも Pro の方が軽く、薄いという逆転現象が起こっていましたから、それと比べると納得感があります。
そのほかにも以下の特徴を有しています。
- A19 Pro チップを搭載し iPhone 17 以上に高性能
- 6.5 インチディスプレイを採用
- 宇宙船と同じグレード 5 のチタニウムフレームで頑丈
- 前面ガラスは「Ceramic Shield 2」、背面は「Ceramic Shield」採用で全モデル中最も頑丈
- ProMotion と常時表示ディスプレイに対応
- Apple 製通信チップのN1、C1X 搭載で省電力
- iPhone 17 と同じ 18 MP のフロントカメラを搭載
- iPhone 17 と同じ標準広角メインカメラを一機搭載
- Bluetooth 6 に対応した
- 物理 SIM が廃止された
一方でカメラ性能は iPhone 17 に劣ります。一眼しかありませんから、「超広角カメラ」「望遠カメラ」「マクロ撮影」「空間ビデオや浅い被写界深度でのビデオ撮影」などが使えません。
またバッテリー持続時間もやや苦手としており、iPhone 17 のビデオ再生時間最大 30 時間に対して、iPhone Air では最大 27 時間となっています。
その代わり iPhone Air 専用の MagSafe モバイルバッテリーが純正で販売されます (なんと他の機種では使用不可)。iPhone 14 シリーズ以来の復活ですが、iPhone Air 専用という点からなんとも言えない苦肉の策感が透けて見えます。プレゼンの中でも明らかに逃げた表現をしていましたしね。

ただし個人的にデザインはズバ刺さり。カラーバリエーションを含めてとても格好いいと思います。実際、今回の Apple Event の中で最もワクワクした製品です。この「AIR」画像天才すぎるだろ。

でも、今の 14 Pro から買い替えるほどのインパクトはありませんでした。使っていてなんだかんだで重要だと思っているので、超広角カメラと望遠カメラが。
またサーマルスロットリング (熱ダレ) のリスクも気になります。iPhone Air には上位チップの A19 Pro が搭載されている一方で、iPhone 17 Pro シリーズで実装された冷却機能を有していません。
今私が使用している 14 Pro ですら、日常遣いの中であっちっちさばくになることがままあります。果たして大丈夫なんでしょうか。
なお、これは勝手な予想ですが、iPhone Air は来年登場すると噂されているフォルダブル iPhone の布石となるプロダクトな気がしました。「この薄さを 2 枚繋げて完成 ♪」みたいな、M1 と M1 Pro の関係的な。蓋を開けてみない限りわかりませんけれどね。
iPhone 17 Pro / MAX

価格は Pro が 179,800円 (税込) から。MAX が 194,800円 (税込) から。予約・販売スケジュールは iPhone 17 や iPhone Air と同様です。
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ダッセーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
なんだこのデザインは……たまげたなあ
アップルロゴの周りだけ色が変わってるの、ダニエル・J・ダービーの頬にしか見えないんだよな。
もうこのデザインの時点で購入意欲はゼロ。さようなら。iPhone Air と同じデザインベースにしてくれよ。
……それでも一応特徴をまとめておきます。
- デザインが刷新された
- 素材がチタンからアルミニウムに戻り、ユニボディ (MacBook のように削り出しで継ぎ目がない) 化された
- iPhone Air と同じ A19 Pro が搭載され処理性能が向上した
- 冷却機能が刷新され安定性が向上した
- iPhone 17 と同様にフロントカメラが 18 MP に強化され、画質と使い勝手が向上した
- 望遠カメラが 48 MP に対応し、最大 8 倍ズーム (200mm) に対応した
- 超広角カメラと望遠カメラが「Fusion」化し、より柔軟な焦点距離や高画質に対応した
- ProRes RAW 撮影が実装されるなどビデオ撮影機能が強化された
- Pro のバッテリー持続時間が最大 33 時間のビデオ再生に増加した
- iPhone 16 Pro 時点では最大 27 時間
- MAX のバッテリー持続時間が最大 39 時間のビデオ再生に増加した
- iPhone 16 Pro MAX 時点では最大 33 時間
- Bluetooth 6 に対応した
- 物理 SIM が廃止された
色々とすごいな〜って進化をしていますが、全てデザインがぶっ飛ばしてくれました。
その上カラーバリエーションも結構攻めていて、黒や金などの王道色がありません。オレンジ色が好きな私としては、このデザインの年に消化してほしくなかったなあという気持ちも強くあります。
いよいよ今後の買い替えは、フォルダブル iPhone が登場するまでできなさそうです。
まとめ
そのほかに iPhone 用に新しいケースや、紐 (1 万円) などの製品もいくつか登場していますが、ここでは割愛します。
AirPods Pro 3 は購入を渋る理由がない正当進化をしてくれていて安心しました。欲を言えば、黒色モデルが出てくれればもっと良かったですね。
今回発表された製品の中では、iPhone Air に少し心躍りました。それでも購入に至らないことから、製品のデザイン性は重要だけれど、それよりも機能性の方を重視しているんだと自分自身の深層心理に気がつけた点でも興味深かったです。
MacBook や iPad の新作発表がなかったことは寂しいですが、今後の続報に引き続き期待することにします。