iPhone 14 Pro の魅力はなんと言ってもカメラ。年々アップデートを重ねる iPhone のカメラも、今年はいよいよ新たな次元に突入しました。
メインカメラの解像度が 48 メガピクセルに激増。全世代の iPhone 13 Pro と比べて 4 倍、ボクが直前まで使っていた iPhone 8 Plus と比べて実に 6 倍の数値です。
画素数の多さで写真の画質が高まるわけではありませんが、一層ディテールをしっかり捉えることができるようになります。
そのほかにも
- センサーサイズが iPhone 13 Pro と比べて 65 % 大きくなり、より暗所に強くなった
- 強化された機械学習機能「Photonic Engine」新搭載でさらに暗所に強くなった
- 広角カメラの画角が 26mm から 24mm に広くなった
- 「センサーシフト光学式手ぶれ補正」が第 2 世代になり、より手ぶれに強くなった
など、さまざまな進化があります。
これらの大型アップデートを経た iPhone 14 Pro は、実際どれほど夜景を綺麗に撮ることができるのでしょうか。
旧機種や一眼レフカメラと撮り比べながらその性能を確かめてみましょう。
撮り比べに使用したカメラたち
今回撮り比べに使用したカメラは以下の 4 機種です。
- iPhone 14 Pro (主役)
- iPhone 8 Plus (2017 年発売)
- Sony α7C – レンズ: 28-70mm F2.8 DG DN (フルサイズ ミラーレス一眼)
- Sony ZV-1 (Vlog 用カメラ)
いずれも手持ちで撮影しました。三脚は使っていません。
注目選手は今回の主役である iPhone 14 Pro の他、5 年前の機種である iPhone 8 Plus。そして、フルサイズセンサーを有するミラーレス一眼の α7C です。
一般に夜景のように明るさに乏しいシーンでは、カメラのセンサーサイズが大きいほど綺麗に撮れると言われています。
Apple は iPhone のセンサーサイズを公表していないため、フルサイズセンサーが数値的にどれほど有利なのかは分かりません。
ただ、フルサイズセンサーのサイズは約 36.0 mm × 24.0 mm。これに対し iPhone 14 Pro のカメラレンズが直径 13 mm ほどなので、少なくともフルサイズセンサーには数倍以上サイズに優位性があることが推測できます。
これを踏まえた上で、撮り比べをしてみましょう。
実際に夜景を撮り比べてみた
写真部門
今回は 5 つの写真をご紹介します。
iPhone の色味は撮って出し。Sony のカメラは RAW 撮影で補正をしています。
シーン 1
まずはこちら。クリックで画像を拡大できます。
iPhone 14 Pro 綺麗すぎんか?
iPhone 8 Plus とは比べ物にならないし、なんなら α7C よりも全然綺麗説すらあります。少なくともブログに載せるほど圧縮する用途なら、iPhone 14 Pro で撮影してしまった方がお手軽でいいかもしれません。
シーン 2
続いての写真を見てみましょう。ボケを活かせる構図です。
ボケを活かせるシーンでは、フルサイズの強みを α7C が大きく出している印象を受けますね。
シーン 3
さて、ここからはクイズを兼ねましょう。どれが iPhone 14 Pro で撮影した写真か、あなたには分かりますか?
まずはこちら。夜の川ってとっても綺麗で好きな景色なんですが、写真に残すのはなかなか難しいんですよね。
みなさんは分かりましたか?
正解は左下の No. 3 が iPhone 14 Pro。他のカメラと比べても、圧倒的に綺麗に水面が映っています。正直これには感動しました。
そのほかの正解はこんな感じでした。
- No. 2: Sony α7C
- No. 3: Sony ZV-1
- No. 4: iPhone 8 Plus
シーン 4
さあ続いてもクイズ形式です。比較的光量の多いシーンでの撮影です。どれが iPhone 14 Pro の写真かわかりますか?
これは結構わかりやすいかもしれません。
今回の正解は一番左の No. 1。これが iPhone 14 Pro の写真です。
他のカメラと比べて、橋のアーチ部分の色付けがかなり強い印象です。
この写真以外では iPhone 14 Pro の写真は極端な色付け補正は行われていないように感じましたが、このシーンでは随分強調された形となりました。
とはいえとてもクリアな仕上がりで画質に不満は全くありません。
その他の正解はこんな感じ。
- No. 2: Sony ZV-1
- No. 3: Sony α7C
- No. 4: iPhone 8 Plus
シーン 5
それでは最後のクイズです。iPhone 14 Pro の写真を当ててください。
今までの中で最も難しい問題なように思います。あなたはわかりましたか?
正解は No. 1 でした。かなり控えめな色使いというか、むしろ若干青白っぽく写しているように思います。
個人的には No. 1 が最も美味しそうに見えません。No. 2 の iPhone 8 Plus の方がまだマシです。もしかすると iPhone 14 Pro は料理の写真が苦手な可能性がありますね。
その他の正解は以下の通りです。
- No. 2: iPhone 8 Plus
- No. 3: Sony α7C
- No. 4: Sony ZV-1
動画部門
続いては動画部門です。シーン数は 2 つ。いずれも写真と同様に全てのカメラを手持ちしています。
Sony α7C のみ、手ぶれ補正を「Catalyst」というソフトウェアで後から加工して、動画編集ソフトで色補正をしました。
それ以外の映像はいずれも撮って出しです。
正直 iPhone 14 Pro だけあればフルサイズいらなくない? というレベルの画質です。
白飛びの量こそ流石にフルサイズセンサーの α7C には敵いませんが、それ以外の要素ではほとんど iPhone 14 Pro が勝っていると言っても過言ではない気がします。
手ぶれ補正の弱い α7C は Catalyst による手ぶれ補正がとてつもない労力と時間がかかります。この手間を考えると、iPhone 14 Pro で動画撮影は完結させてしまうのが正解かもしれません。
ちなみに、iPhone 14 Pro の新機能である最強手ぶれ補正「アクションモード」を使おうとしたところ、このようなエラーが出て使うことができませんでした。
どうもアクション手ぶれ補正を使うためには光量が必要なようです。お昼の時間帯限定モードですね。
iPhone 14 Pro のカメラ、やっぱりすごかった
正直 iPhone 14 Pro の使い勝手には満足していませんが、このカメラ性能にはそんな不満を全て打ち砕くような魅力があります。
今回の検証で、夜景のような低照度の環境でもメインカメラ (広角) であればミラーレス一眼に勝るとも劣らない写真を撮れることがわかりました。
今回は検証しなかった超広角、望遠カメラの性能もいずれ試すつもりです。
スマートフォンをカメラがわりに使っている方は、iPhone 8 シリーズからの乗り換えは断然おすすめです。カメラに関しては本当に世界が変わりました。
他メディアでは、14 Pro と 13 Pro のカメラ性能は大差がないとのレビューもしばしば見かけます。価格の低くスペック十分な 13 Pro を購入するのも悪くないかもしれませんね。