昨日 9 月 16 日、ついに最新の iPhone 14 Pro が届きました。
ボクは iPhone 8 Plus から 4 年ぶりに機種変更。さぞかし性能が向上していて、色々と快適になることでしょう。
ということで実際に、昨日は一日中普段通りの使い方をしてみました。今回はファーストインプレッションをお送りします。
一週間使い倒した後のレビューはこちら。
正当進化も、「思っていたより感動はなし」
iPhone 14 Pro を一日使い倒した感想は、iPhone 8 Plus と比べて正当に進化はしていると感じる一方で、「思っていたよりも感動はないな」という感じです。
「さすが最新! iPhone 14 Pro いいなあ」と感じる部分もあれば、「いやいや、使いづれえな」という部分もあります。数は後者の方がむしろ多いけれど、前者は数こそ少ないものの質の面でカバー。
総合的にみてトントンか、乗り換えてちょっとだけ良かったなくらい。
今 iPhone 8 や 8 Plus をお使いの方、もう一年戦ってもいいと思いますよ。
MAX サイズを選ばなくて正解だった
14 Pro シリーズへ買い替えを検討している iPhone 8 シリーズユーザーにお伝えしておきたいことがひとつあります。それは、MAX サイズにしなくてよかったということです。
ボクは 8 Plus の画面サイズがとても気に入っていたので、同じく画面の大きな MAX にするか、片手操作ができる普通の Pro にするかで長らく悩んでいました。
Apple Store で実物を何度も確認していたとはいえ、実際に自分で購入して日常使いしてみるまで本当のところは分かりませんからね。
iPhone 14 Pro を実際に使ってみると、この画面サイズがすんごくちょうどいいです。
確かに iPhone 8 Plus と比べると画面の横幅はやや狭くなりましたが、思ったよりも気になりません。YouTube などの動画を横表示にしても、画面のサイズ差はほとんど体感できませんでした。
そして、iPhone 14 Pro を握って片手操作した時の感覚も、iPhone 8 Plus のそれに近く感じます。裸の状態でやや 14 Pro が小さく厚い、レザーケースをつけると幅はほぼ同じで 14 Pro はより厚く、といった具合。
これらが意味することは、つまり Plus ではない iPhone 8 を使っている方からすると、普通の Pro に乗り換えてもめちゃくちゃ巨大化するということです。
以上から、普通の Pro か MAX どちらに乗り換えるか問題は、
- iPhone 8 Plus とほぼ同じ画面の大きさと操作性が欲しい = 普通の Pro
- iPhone 8 Plus の画面サイズじゃ物足りない = MAX
と考えるのが良いでしょう。
iPhone 14 Pro が使いにくい点
1. Face ID
Face ID はやっぱりうんちです。Touch ID が毎秒恋しくなります。
一応お伝えしておくと、意外なことに「Face ID のほうが便利じゃん」という場面もありました。
iPhone を手に持って使用している時のことです。パスワード入力などをする場面では、Touch ID よりも Face ID の方が優れているように感じます。
なぜならパスワード入力のテキストボックスをタップすると、自動的に Face ID が発動してほぼタイムロスなくパスワード入力が完了するため。
Touch ID の場合はホームボタンに親指を移動させる動作が必要になるので、その分タイムロスです。
ただし、結局手に持っていないときはいちいち iPhone の画面を覗き込むか、手にとって画面を顔に向ける必要があるので、総合評価ではやっぱりクッソ面倒臭いです。
2. 操作性
ホームボタン
指紋認証以外でもホームボタンを欲してしまいます。
iPhone X 以降の機種にはホームボタンがありません。そのためホーム画面に戻るには、画面下端を上に向かってスワイプする必要があります。
この操作がめんどくさいんですよね。
ホームボタンがあれば画面の下側に親指を持っていって少しだけ力を入れるだけでホームボタンに戻れたところ、iPhone 14 Pro では親指を思いっきり下まで持っていって、さらに指を上に向かって動かさなくてはなりません。
ボタンがなくなったことによって、ホーム画面に戻るというたった一つの動作を実現するために使う労力が増えてしまっているのです。
また、アプリの切り替えも面倒くさいです。iPhone 8 以前ではホームボタンを 2 連打すれば切り替え画面が表示されました。失敗する余地はありません。
iPhone 14 Pro では、画面下端からホーム画面に戻らない程度に少しだけ画面上に向かってスワイプする操作が求められます。これが思いのほか繊細な操作が必要で、しばしば勢い余ってホーム画面に戻されてしまいます。
ホームボタンが失われたことで小さなストレスが多数。これはいけません。
画面が縦長すぎることによる誤操作発生
これは慣れの部分も多々あると思いますが、初期の感想ということであえて記載しておくとめちゃくちゃ誤操作します。
まず画面が下に広すぎて誤タップする問題です。iPhone 8 まではホームボタン周辺には画面がなく、操作不能エリアでした。
対して最新の iPhone は操作可能領域が筐体全域に広がっています。これが災いして、iPhone 8 以前のように iPhone を握ろうとすると、かつてホームボタン横だったはずのエリア = タッチ画面に誤って触ってしまうのです。
ウェブブラウジング中に意図せぬページ遷移が発生してしまうので、慣れないうちは結構なストレスになりそうです。
また、使い慣れたアプリのボタンもいつもより UI が上に寄りがちで誤タップしがちです。
3. 思っていたよりも発熱する
iPhone 14 Pro はボクが想像していた以上に発熱しました。
使用していた iPhone 8 Plus では、Feedly を使ったり Discord で画面共有通話をしたりすると、もはや爆発してしまうんじゃないかってくらいに熱くなっていました。
iPhone 14 Pro は iPhone 8 Plus と比べて性能が段違いに良いので、このような発熱からは逃れられると期待していました。Intel CPU から M1 に移行した MacBook Air のように。
ところが iPhone 14 Pro も普通に発熱します。流石に iPhone 8 Plus のような爆熱ではありません。じんわりと、手汗は出ちゃうよな〜くらいな感じ。
せっかくプロセスルールが 4 nm まで小さくなったので、そろそろ処理速度向上ではなく省電力性向上に余力を割いて欲しかったなあっていうのが個人的な意見です。スマートフォンでゲームなんて、しないし。
4. ごろ寝スマホできないくらいバカ重たい
iPhone 8 Plus の重量は 202 g、iPhone 14 Pro は 206 g。数値上ではほとんど違いがありません。
ただ、体感では明らかに iPhone 14 Pro の方が重たく感じます。iPhone 14 Pro の後に iPhone 8 Plus を持つと、圧倒的に「軽ッ!」ってなります。
おそらく iPhone 14 Pro は自慢のクソデカカメラによって、重心が筐体の上側に偏っているのが原因でしょう。
日常使う分にはそこまで致命的な差を感じませんが、問題になるのはごろ寝スマホをしようとした時です。重すぎます。
純正のレザーケースなんて着けようものならいよいよ地獄。ごろ寝スマホを断念してしまうレベル。
ごろ寝スマホを妨げて睡眠の質を向上させようとしている Apple による巧妙な作戦説、ありますかね?
5. Dynamic Island はほとんど使う機会がない
iPhone 13 シリーズからのわかりやすい進化点の一つ、Dynamic Island。ボクもその目新しさに心惹かれていたうちの一人です。
実際に使うことを楽しみにしていましたが、現実は非情。残念ながらボクは使う機会がほとんどなさそうです。
Dynamic Island といえば、バックグラウンドで動いているアプリへのショートカット的な存在。
例えば YouTube 動画をバックグラウンド再生中に Safari でブラウンジングしていても、ワンタッチで YouTube に戻れるとか。そんなイメージでした。
ところが実際には、そもそも Dynamic Island が起動すること自体が稀でした。
例に出した YouTube で試してみましょう。確かに YouTube で再生中に Safari を開いてみると、Dynamic Island に YouTube の項目が表示されています。
ところが、PinP を有効にするとどうでしょう。Dynamic Island の霊圧が消えてしまいます。
ボクは普段から PinP で動画を見ることがほとんど。Twitch だってそうです。残念ながら、PinP を使っている限り Dynamic Island は使えないみたいです。
ぶっちゃけ iPhone の PinP 機能は操作性が最悪。Dynamic Island によって改善されることを期待していたのでこれはとても残念です。
これによって、ボクが Dynamic Island を使う機会は NAS に保存している音楽を聴いたり、YouTube Music を再生している時くらいになりそうです。
ちなみに iPhone 14 Pro でスクリーンショットを撮影しても、Dynamic Island は存在しないことになります。iPhone 13 以前のノッチと同じ扱いですね。
iPhone 14 Pro の良い点
処理性能が高いのでブラウジングが高速
さすが最新世代の iPhone 14 Pro は処理性能が爆速です。iPhone 8 Plus の SoC「A11 Bionic」と比べて、最新の「A16」は CPU シングルコア性能で約二倍もの差をつけています。
これによって Web ブラウジングが体感できるほど高速になりました。特に広告がたくさんついているような重たい Web ページを表示するときにその差が顕著に現れます。
iPhone 8 Plus から乗り換えた一番の要因 Feedly が重たい問題も、バッチリ解決しました。
バカみたいなバッテリー消耗も爆熱も無くなったので、この点は本当に買い換えて良かったと感じます。
画面サイズがちょうどいい
前述の通り iPhone 14 Pro の画面サイズは思っていたよりもしっくりきました。iPhone 8 Plus と比べて横の表示領域が狭いことによる影響を懸念していましたが、これもそこまで気になりません。
また、そんなにいらないだろうと思っていた縦長の画面。これも思っていた以上にだいぶ便利だということがわかりました。
テキスト記事を流し読みする際に重要な箇所を見つけやすいのが非常に Good。
それでいてちょうどいい本体のちょうどいい握り心地。今のカクカク筐体だと、おそらくこれがちょうど握りやすさと画面の大きさのちょうどバランスが取れた状態なのでしょう。
カメラが明らかに良い
まだ本格的な撮影はしていないものの、少なくとも iPhone 8 Plus とは比べ物にならないくらい写真が綺麗に撮れます。
超広角カメラがついているのも非常にグッド。
カメラについての詳細は後日、フルサイズ一眼レフなどとも比較した記事をアップロード予定です。
カメラが目的じゃない限り、iPhone 14 Pro は見送っていい
ここまでお読みくださったあなたは薄々すでにお気づきなことと思います。
「いい点も悪い点も、14 Pro じゃなくて 13 Pro 以前でも一緒なんじゃない?」と。
実際その通りだと思いますし、肝心な 14 Pro 固有要素の Dynamic Island もご覧の有り様です。
これなら iPhone 8 Plus でもう一年粘ることもできたかもなというのが正直な感想です。
iPhone は所詮スマートフォン。いくらスペックが向上したところでできることは PC と比べてかなり限られてしまいます。
ましてや iPhone 8 Plus のような 5 年も前の機種から乗り換えたとしても、生活が大きく変化するようなこともありません。
よほど今あなたがお持ちのスマートフォンがボロボロだとか、高性能なカメラを使いたいなどの理由がない限り、iPhone 14 Pro は必ずしも購入しなくて良いものだと思います。
現場からは以上です。