昨年フィギュアを 2 体も新調してしまい、合計 3 体のフィギュアが我が家で暮らすることに。
これまではケースに入れないで机の上に直置きしていましたが、定期的にエアダスターで誇りを飛ばすなどのケアが必要でした。
1 体だけの時は別に苦ではなかったものの、3 体になるとそれなりに手間が増えます。また、新たにお迎えした 2 体はいずれも装飾が繊細なので、可能な限りフィギュアにメンテナンスによる負荷をかけたくありません。
そこで今回、初めてフィギュアケースを購入することにしました。
この記事はどんなフィギュアケースにするべきかを検討しながら、ちょうどいい製品を探す過程をまとめた記事になります。


フィギュアケースに求める 3 つの条件
ボクがフィギュアケースに求める条件は次の 3 つ。
- UV カット機能がある。
- フィギュアを単体で飾るにちょうどいいサイズである。
- 形状がドーム状である。
まず必須なのが「UV カット機能」。
人間のお肌が紫外線を敵としているのと同じように、フィギュアにとっても紫外線は天敵です。
長期間紫外線に照らされると、徐々にフィギュアは色褪せてしまいます。樹脂パーツの劣化も早まることでしょう。
一応我が家では UV カット値最高峰のカーテンを使用しているので、もともと紫外線は対策済み。
とはいえ念には念を入れて綺麗な状態を保ちたい。ということで UV カット機能をケース選びのマスト条件にします。
続いて必要な要件が「フィギュアを単体で飾るにちょうどいいサイズである」こと。要するにフィギュア 1 体につき、ピッタリサイズのケースが一つずつ欲しいのです。
ボクは今後フィギュアを追加で購入する気は (現時点では) 全くないので、フィギュアを大量に飾れるような大きな棚は必要ありません。
また、一つの大きめなケースに 3 体並べて飾るよりも、一体ずつぴったりサイズのケースに飾ることになんとなくの憧れがあります。
どうぶつの森の自室にカイロウドウケツが一体ずつ飾ってあるの、オシャレじゃないですか。その感覚に近いかもしれません。
ケースのサイズは高さ 250〜300 mm、幅・奥行きは 200〜250 mm くらいがちょうど良さそう。ボクが持っている 1/8 〜 1/7 スケールのフィギュアが綺麗に収まるのが目安。
そして最後の条件が「ドーム状」であることです。ありきたりな真四角なケースよりも、ドーム状になっていたほうがオシャレに見える気がする。これも好みの話ですね。
フランス人形を飾るケースような、あんな感じの形状をイメージしています。
まずはこれら 3 つの条件をクリアするケースを探していきたいと思います。
UV カット機能つきかつドーム状のケースは存在しなさそう
まず残念な結論をお伝えしなければなりません。それは UV カット機能とドーム状を兼ね備えたケースは、少なくともボクが探した範囲ではこの世に存在しないだろうということです。
一応、ドーム状のケースで良さそうなものは実際いくつかありました。例えばこの辺りですね。
しかしドーム状のケースはいずれもガラス製。アクリルだとこの構造を作るのが難しいのでしょうか。
ガラスはアクリル板やプラスチックと比べて UV 遮断性能が著しく低いので、今回のマスト要件である「UV カット」をクリアすることができません。
そもそも UV = 紫外線とは何かを、念のため軽く説明しておきましょう。紫外線とは、波長が 10〜400 nm の範囲の目に見えない短い波長の電磁波のことです。

紫外線の中でも波長の長い方から UV-A 〜 UV-D と分類されていたりします。
この目に見えないやつらがフィギュアやお肌に悪さをするわけですね。
残念ながらガラスは、UV-A 帯の遮断効果をほとんど持っていません。次のグラフより、ガラス、アクリルの紫外線カット率を確認することができます。

このグラフの引用元である「箱庭技研」さんの動画を見れば、より詳しく紫外線について学ぶことができます。
閑話休題。ということで、ガラスドームの見た目は非常に好みなのですが、泣く泣く今回は購入を見送ることにしました。
ちょうど今話題に出た箱庭技研のアクリルケースが UV カット性能抜群でいいんじゃない? と思ったりしましたが、条件 2 の「フィギュアを単体で飾る」にちょうどいいサイズのケースがなかったので、こちらも選択肢から除外。
ニーズに合うサイズがあれば、とても魅力的な選択肢になり得たと思います。
サイズをオーダーメイドできるケース屋さんが存在する
この辺りまで調べていて重大なことに気がつきました。
それは、思ったよりもフィギュアを単体で飾るというニーズが存在しなさそうだということです。
「フィギュアケース」「コレクションケース」といったキーワードで検索しても、大きな棚にたくさんのフィギュアを並べて展示している事例ばかりが表示されます。
これはちょうどいい単体サイズのケースはないかもなあ。
諦めかけたその時、アクリルケースを任意のサイズでオーダーメイドできるサービスを見つけました。
オーダーメイドできるサービスはいくつかありましたが、中でも魅力的に見えたのが「ヨメテラス」さんです。
「フィギュアケース専門店」と銘打っているだけあって、ケースサイズをオーダーメイドできるだけでなく、フィギュアを「魅せる」ギミックオプションも豊富です。
たとえばケースの上下にフィギュアを照らすライトをつけたり、ジオラマ風にオリジナルの背景を作ったり。制作事例を見るとそのクオリティに驚きます。もちろん UV カットにも対応。
ただ、ネックなのがお値段ですね。「せっかくオーダーメイドにするなら」とダウンライトをつけたりなんだとすると、ケース一つにつき約 6 万円以上かかってしまいます。
流石にフィギュア本体よりも高いのはちょっと……。
それから四角いケースしか作れないのが個人的にはもう一歩といったところ。ドーム状は諦めましたが、せっかくなら円柱状くらいで妥協したいなあというのが本音。
ということで、ヨメテラスケースは一旦キープすることにしました。除外するには惜しい美しさなので、キープ。
他にもオプションはあまりない代わりに割安な「アクリ屋」さんも、UV カット機能つきでオーダーメイドに対応しています。
激安で UV カット対応、円柱型のケースを見つけた
初めてフィギュアケースでいきなり高すぎるものを買うのもちょっとなあということで、ここで一旦格安なケースも探してみることにしました。
そうするとついに見つかりました。今回の解答。ホビーベース イエローサブマリン社製「モデルカバー ラウンド 20」、これです。
四角ではなく円柱状であり、サイズもニーズにぴったり! お値段はなんと 1,500 円以下!
そして UV カット率は 290 ~ 390nm ( = UV-B 〜 UV-A) の範囲で脅威の 90 %! (メーカーの測定値による)
さ、最強すぎる……。
早速これを 3 体分ポチりました。
「モデルカバー ラウンド 20」レビュー
というわけで届きました。こんな感じで薄っぺらいクソデカ段ボールに梱包されて届きます。

中身はペラペラな塩ビ素材の側面板と蓋、HIPS (耐衝撃性ポリスチレン) 素材の台座の合計 3 点が入っていました。

塩ビ板の左右両端にそれぞれ「爪」がついていて、これを引っ掛けて円柱を組み立てる方式になっています。
この組み立てにかなりコツがいります。最初めちゃくちゃ苦戦しました。
ボクが編み出した手法は、下の画像のように椅子などの柔らかめな平らな面に置いて、端っこから一気に引っ掛けていく方法です。最初こそ苦戦しますが、慣れると結構スムーズに組み立てられるようになりました。

で、実際に組み立てたラウンド 20 の中にフィギュアを入れるとこんな感じです。

全然悪くないですね。別に高級感があるわけではないですが、1,500 円だとは言われないと分からなさそうな程度にはしっかりしています。
ケースに入れた状態で接写するとこんな感じになります。

透明度、すごいです。裸で置いているとの遜色ないほど中のフィギュアがカメラ越しでもちゃんと見えます。

フィギュア入りのケースを 2 つ並べてみました。一体ごとに展示している感じ、めっちゃ良くないですか?
ケースの反射が気にならないといったら嘘になりますが、めっちゃ気になるかと言われるとそうでもない、及第点レベルの反射率のように思います。(リゼ様、でかいなあ)



次は三体並べてみました。すごーーい! ショーケースみたい!
想像以上にいい感じになってくれて、撮影中結構テンションが上がっています。これが一つあたり 1,500 円ってめっちゃ良くないですか?
ちなみに推奨される使い方ではないと思いますが、ケースは 2 段以上積み上げることができます。

こうしてみると、ケースの天井が黒いともっとショーケース感が出て良さそうですね。台座を天井がわりにするために、もう 3 個台座のために追加購入しようか、現在本気で悩み中。
フィギュアを単体で飾りたい → モデルカバー ラウンド 20、おすすめです。
というわけで無事、満足のいくフィギュアケースに出会うことができました。ラウンド 20、非常におすすめできます。
ラウンド 20 は台座の直径が 21 cm ほど。フィギュア収納部分の内径は 19 cm ほどです。実はユリカ様の台座の広さと超ピッタリなんですよね。噛み合いすぎ。
ケースの高さは 33 cm。内側の高さは 29 cm です。薄い塩ビなので高さが余分であればカッターナイフで簡単に調整できます。
ラウンド 20 はメーカー曰く 1/6 スケールサイズのドールまでの収納を想定しているとのこと。フィギュアの場合は 1/7 スケールでぴったりサイズのように感じました。
これよりもう一回り大きな「ラウンド 29」(1/6 スケールフィギュア対応) や、一般的な直方体のタイプも販売されています。
台座がミラーになった、マニア向けの仕様バージョンも存在しています。
フィギュアを単体で飾るニーズはニッチかもしれませんが、だからこそこうしてメーカーが素晴らしい製品を用意してくれているのはありがたいですね。
株式会社ホビーベース イエローサブマリンは、あのカードショップ「イエローサブマリン」と同じ会社です。イエローサブマリンの店舗によってはこのモデルカバーを展示していることもあるそうなので、実物を確認してから購入することも可能です。
みなさんがより良いフィギュアライフを楽しめることを願っています。