なぜか公式サポートでも教えてくれない?
MacBook シリーズのキーボードは明らかに汚れやすい。素材がよくないのか、使っていくうち皮脂によってどんどんテカテカになっていきます。
そんなテカテカになりがちなキーボードは、実は菌まみれ。かつてロイター通信によって「拭き掃除した便座の 5 倍不潔なレベルのバクテリアが存在しており、PC のキーボードが健康被害を及ぼす可能性がある」として報じられ、大きな話題を呼びました。
つまり、テカテカなキーボードは見た目が悪いだけでなく、色々な意味で実際にめちゃくちゃ汚いのです。
そんなわけで、MacBook Air のキーボードを綺麗に保ちたい、掃除をしたいと考えるのは自然な理。実は Apple が自社製品のクリーニング方法をサポートページで公開しています。
「わーい! 公式のアナウンス通りにキーボードを掃除するぞ〜〜☆☆ミ」。
…………。ない。
キーボードの掃除の仕方が、書かれてない!
そうなんです。Apple のサポートページには、MacBook キーボードの掃除の仕方を公開していないんです? なんでじゃーーー。
Apple Store の掃除方法を真似しよう
「Apple のサポートページに方法が書かれていないなら、物理店舗の Apple Store で実施されているキーボードの掃除方法を真似すればいいじゃん!」
我ながら天才かと。超頭がいい方法を思いついたと思います。
Apple Store は各種 Apple 製品が展示され、来店する人たちがウィンドウショッピングをする空間。もとい Mac や iPad をぺたぺたぺたぺた触る場所。指紋や皮脂で汚れてしまうと製品の魅力が落ちてしまったり、感染症拡大の恐れがありますから、Apple Store のスタッフが定期的に拭き掃除しています。
つまり、Apple Store で行われている掃除の仕方こそ、正しい MacBook キーボードの正しい掃除方法と言っても差し支えないわけです。
——善は急げ。いつもなら Apple Store 銀座へ直行するところ、2021 年 5 月な今は緊急事態宣言下。入店には予約が必要です。面倒くさいので今回は別店舗へ。ヨドバシカメラ マルチメディア Akiba の Apple Shop に直行しました。
余談ですが、Apple の直営店は「Apple Store」。家電量販店などで見かける Apple ゾーンは「Apple shop」と名称が異なります。
閑話休題。
ヨドバシカメラの Apple shop では思いのほかパワフルな掃除方法が実施されていました。なんと、ウェットティッシュで拭きふきしていたのです。
PC 内部に水分が入らないように、頑張ってマイクロファイバーでから拭きしているのだろうと予想していたので、正直かなり驚きました。
なるほど、ウェットティッシュを使っても構わないと。
アルカリ電解水ウェットティッシュを Mac のキーボード掃除に使おう
Apple shop で実際に使われていたのは、ELECOM の「wipica 汚れ落としウェットクリーニングティッシュ」でした。界面活性剤の含まれていないタイプで、アルカリ電解水で汚れを落とし、アルコールの効果で除菌をするという仕組みらしい。
「アルコールを使ってもええんや!」と、正直驚きました。今一度 Apple 公式サポートで「アルコール」と検索をかけてみたところ、ひっかかりました。というか MacBook の項目に書いてないだけで、ちゃんとキーボードの掃除の仕方書いてあった件。MacBook の項しか見ていなかったので、完全に見落としですね、コレハ。
Apple 製品のお手入れに消毒剤を使っても大丈夫ですか?
https://support.apple.com/ja-jp/HT204172
70%イソプロピルアルコール含有ワイプやクロロックス除菌ワイプ (Clorox Disinfecting Wipes) を使い、Apple 製品の通気性のない硬い表面、たとえばディスプレイやキーボードなどの外表面を優しく拭き取る分にはかまいません。漂白剤 (ブリーチ) は使わないでください。開口部に湿気や水分が入り込まないようにご注意ください。また、洗剤類の中に Apple 製品を浸さないでください。布製や革製の表面には使わないでください。
ちなみにアルカリ電解水が汚れを落とすのは、
- マイナスイオンが汚れを浮かす
- アルカリ性の電解水が、酸性の皮脂汚れを分解する
という仕組みによって実現されるものです。
そんなわけで早速ボクも買ってみました。
そしてこちらが使い続けている MacBook Air のキーボード。定期的にマイクロファイバーでから拭きしていましたが、流石にこびりついた皮脂汚れを落とすことはできず、かなりテカテカしていることがわかります。早く拭かねば。
ちなみに拭き掃除実施中、Mac の画面ではメモ帳アプリを起動していました。MacBook は電源をシャットダウンしても、いずれかのキーに触れるだけで電源が起動してしまいます。電源オフ状態で拭き掃除ができないわけです。
ですから拭き掃除中にキーボード入力が暴れても困らないように、空ページのメモアプリを起動して、ゴリゴリ拭いた次第。
さて、こちらが拭き終わった MacBook Air のキーボード。写真では若干伝わりづらいかもしれませんが、劇的に綺麗になっています。
拭き掃除後 正面 拭き掃除後 右側 拭き掃除後 左側
MacBook のキーボード、実は新品は完全マットで、サラサラの質感です。ボクも新卒社給の M1 MacBook Air をセットアップ中に思い出しました。使い込んでいくうちにどんどんサラサラ感やマット感がなくなってしまうのですが、この拭き掃除によってかなり取り戻すことができました。流石に完全復活というわけにはいきませんが。エレコム、やるやん。
キーボードはアルコール除菌したほうがいい
キーボードの掃除にアルコールを使っても構わないことがわかってしまえばこっちのもんです。あまり濡らしすぎるのはかえって良くないかなと思い、今では週に一度キーボードの拭き掃除をしているのですが、掃除をするたびどんどん新品同様の綺麗さに近づいていく感覚があります。
さて、水拭きだけでもキーボードはある程度綺麗になるかもしれませんが、それはあまりお勧めしません。なぜなら、水拭きでの雑菌除去はほとんど不可能だからです。
これはトイレの便座についての調査になりますが、ライオン株式会社のリリースによると、から拭き、水拭きでは、ふき取りの後の表面に多くの菌が残っており、むしろ一ヵ所にあった菌を広げてしまうことが確認されたとのこと。
前述の通り、PC のキーボードに潜む雑菌は 5 倍。から拭きや水拭きでは到底太刀打ちできないことは容易に想像がつきます。
コロナ禍の続く今、少しでも免疫が下がるリスクを下げるためにも、定期的に適切な手段で PC を掃除し、クリーンな状態を維持したいところです。