手首に優しいはずの「トラックボール」で逆に腱鞘炎になりました

我、生き証人。

時は遡ること 2017 年。

ロジクール (Logitech) から最新・最強のトラックボール「MX ERGO」が発売されました。

それまでデスクトップ PC はマウスで、ラップトップ PC はトラックパッドで操作していたボクですが、周囲のトラックボール使いがこの MX ERGO をえらい絶賛しておりまして、気になって買ってみた次第でした。

これが地獄の始まりになろうとは、その時は知る由もなかったのです。

目次

そもそもトラックボールって?

トラックボールとは、一言で言うと「マウス」の亜種。マウスはそれ自体を左右上下に動かすことによって、PC 画面上のカーソルを動かしますが、トラックボールは上面についているボールを指で回転させ、読み取らせた回転方向や速さに応じてカーソルを操作する代物です。

マウスは主に手首を使って操作します。慣れない人にとってはこの操作方法自体が負担になるようで、仕事でマウス=手首を酷使し続けた結果腱鞘炎になることもしばしばあるのだそう。

一方でトラックボールは主に親指 (製品によって人差し指や中指の場合もある) を使って操作します。カーソルを動かす際に一切手首の動作を必要としないので、一般に腱鞘炎を予防する効果が高いとされています。

そう、一般に。

トラックボールを使い続けて腱鞘炎になりました

残念ながら、ボクは一般の例から漏れたようです。

MX ERGO を使い始めて 1 か月ほどでしょうか。徐々に右手首に違和感を覚え始めました。

ボクはゲーマーかつ PC オタクなので、腱鞘炎という炎症が存在していることは知っていました。

ただ、数十年ゲームコントローラやマウスを操作し続けてきても一切その炎症を患う片鱗すらなかったので、当時はただの筋肉痛か何かだろうと気にしないでいました。

そして、MX ERGO を使い始めて 2 ヶ月くらい経った頃でしょうか。

「痛テェ!」

明らかな手首の慢性的痛みを感じ始めました。キードードをタイピングすることすら億劫なレベル。

流石にこれは……、ということで病院に行くと案の定腱鞘炎と診断され、サポーター着用を余儀なくされる不便極まりない生活が始まったわけです。

トラックボールの操作が逆に手首への負担を増やす恐れもありうる

原因はただ単に、トラックボールの操作方法がボクには馴染まなかった。それだけです。

腱鞘炎とはその名の通り「腱鞘」、すなわち親指の付け根あたりの部分に炎症が起こる症状のこと。

トラックボール、とりわけ MX ERGO は親指を使ってカーソルを操作するわけですが、この動作がボクの腱鞘にダイレクトアタック。

古からのオタクゆえ、マウスやトラックパッドでの操作に慣れていたボクの体が一般に腱鞘に優しいとされる動作に対し、「ハイカラなことしてんじゃねえ!」と怒り心頭だったわけですね。

「いやいやトラックボールで腱鞘炎ってあり得るんかいな」と腱鞘炎になって初めて Web で調べてみましたが、実際にボクと同じような症例はチラホラとある様子。

トラックボールという存在そのものがマイナーであることが暗に示しているように、万人に向いているデバイスとは言えないようです。

手汗が多い人もトラックボールは向かない?

腱鞘炎になった以外に、もう一つトラックボール使用中にストレスを抱いていた点があります。

それはボール回転の滑らかさを維持するために、「一時間に一度レベルのペースで掃除をしないといけない」という点。

トラックボールを使い続けていると操作のキモになるボールに皮脂がへばりつき、徐々にボールの回転に引っかかりを覚えるようになります。

そうすると、本来は「スゥー……」と滑らかに動くはずのカーソルが、「ガガッ……ガッ」と明らかに不自然な挙動を取り始めます。

ですのでこの引っ掛かりを覚え始めたタイミングでトラックボールからボールを取り外し、ボールと回転機構を支える部分を拭き掃除しなくてはなりません。

ボクは比較的手汗が多く出てしまう体質なのでその影響もあったかもしれませんが、これが作業効率を著しく低下させていたことは間違いなく、結局 MX ERGO は速攻で売り払うことになってしまいました。

トラックボールを試すときは安いものから買うことをおすすめ

ボクがトラックボールに馴染めなかっただけで、世の中には「マウスよりもトラックボールの方が快適だ」という方が大勢いることに違いはありません。

そこで、もしこれからトラックボールを試そうと思っているのであれば、まずはエントリーモデルから購入することをおすすめします。

MX ERGO は 1 万円を超えるいわゆるハイエンド機種で、ボクは未知の代物に最初から投資をしてしまったのが誤りだったわけです。

発売から日が経っており、価格もこなれた王道を征く「M570」や、2020 年にその後継モデルとして登場した「M575」あたりからスタートしてみるのがいいのではないでしょうか。

ちなみにボクは今、デスクトップ用にはマウスを使っています。去年のベストバイにも入れている、「Microsoft Surface Pecision Mouse」です。

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