最初の告知から早 7 カ月。ついに Steam Machine の価格が発表され、同時に販売が開始されました。
私は、Steam Machine の発売を心待ちにしていたうちの一人。……だったのですが、ちょっといくらなんでも高すぎました。

Steam Machine のラインアップと価格

日本では正規代理店の KOMODO 経由で販売されています (記事執筆時点で売り切れ)。
KOMODO STATION – 日本・韓国、香港、台湾で展開するSteamハードウェア(Steam Deck、Steam Machineなど)の公式オンラインストア!
https://komodostation.com/
ドル円ベース (161 円) で単純計算するよりも、だいぶ高くついているため、代理店による上乗せが多分に含まれていますね。
| Steam Machine | 米国価格 | 国内価格 (税込) |
|---|---|---|
| 512 GB/コントローラーなし | 1,049 ドル | 189,980 円 |
| 512 GB + Steam Controller | 1,128 ドル | 204,980 円 |
| 2 TB | 1,349 ドル | 249,980 円 |
| 2 TB + Steam Controller | 1,428 ドル | 264,980 円 |
既存ゲーム機との損益分岐点は?

気になるのは、Steam Machine が他のゲーム機と比べてどれくらいお得かどうかでしょう。
Steam はオンライン プレイが無料という、他にはない圧倒的な強みがあります。この強みを活かした際、Steam Machine の初期投資が、何年で回収できるのかを主要なゲーム機と比べて計算してみました。
年数が大きいほど「Steam Machine のほうが高い状態が長く続く」という意味です。
比較するゲーム機とサブスクはこちら
| 項目 | 価格 |
|---|---|
| PS5 デジタル・エディション (日本語専用) | 55,000 円 |
| PS5 Pro | 137,980 円 |
| PS Plus Essential 年額 | 6,800 円 |
| Nintendo Switch 2 (日本語・国内専用) | 59,980 円 |
| Nintendo Switch Online 個人 年額 | 3,000 円 |
| 同 + 追加パック 個人 年額 | 5,900 円 |
補足情報として、Steam Machine の性能は無印の PS5 と同程度か、やや劣る程度と評価されています。
512GB (最廉価モデル) の場合
| 比較対象 | 初期費用 + 年額 | 逆転する年 |
|---|---|---|
| PS5 + PS Plus | 55,000 円 + 年 6,800 円 | 20 年目 |
| PS5 Pro + PS Plus | 137,980 円 + 年 6,800 円 | 8 年目 |
| Switch 2 + Online | 59,980 円 + 年 3,000 円 | 44 年目 |
| Switch 2 + Online + 追加パック | 59,980 円 + 年 5,900 円 | 23 年目 |
2TB+コントローラー (最上位モデル) の場合
| 比較対象 | 初期費用 + 年額 | 逆転する年 |
|---|---|---|
| PS5 + PS Plus | 55,000 円 + 年 6,800 円 | 31 年目 |
| PS5 Pro + PS Plus | 137,980 円 + 年 6,800 円 | 19 年目 |
| Switch 2 + Online | 59,980 円 + 年 3,000 円 | 69 年目 |
| Switch 2 + Online+追加パック | 59,980 円 + 年 5,900 円 | 35 年目 |
草w
改めて数字にしてみると、とんでもないことになってしまいました。
PS5 が相手だと、最廉価モデルでも 20 年、最上位なら 31 年かかります。
Switch 2 にいたっては、Nintendo Switch Online の年額が安すぎて、最廉価でも 44 年、最上位で 69 年。もうハードの寿命どころか、プレイヤーの寿命すらも超えかねない勢いです。
まだ比較的差が少ないのが、「Steam Machine 512 GB vs PS5 Pro」の 8 年目。でもこれ、PS5 Pro の本体性能は Steam Machine のそれを圧倒していますからね。それにもかかわらず、まだ 8 年も要するって……。
PS の世代交代はこれまで平均して 6 年ごとでしたから、その頃にはもう次世代機が登場しちゃいます。

ちなみに、今後も円安やメモリ高騰の波によって、PS5 が値上げされないとも限りません。
そこでちょっと意地悪なシナリオとして、PS5・PS5 Pro の本体と PS Plus が今後 20% 値上げされたと仮定して、計算し直してみました。もちろん、Steam Machine 側は据え置きです。
| 項目 | 現在 | 20% 値上げ後 |
|---|---|---|
| PS5 | 55,000 円 | 66,000 円 |
| PS5 Pro | 137,980 円 | 165,576 円 |
| PS Plus 年額 | 6,800 円 | 8,160 円 |
結果はこちら。
| Steam Machine | PS5 + PS Plus | PS5 Pro + PS Plus |
|---|---|---|
| 512 GB | 16 年目 | 3 年目 |
| 2 TB + コントローラー | 25 年目 | 13 年目 |
こうなってくると、Steam Machine 側にも多少の勝機が出てくるでしょうか……?
Steam Machine はゲーム機ではなく、ゲーミング PC のビジネス モデル。しかし……

Steam Machine の価格がとてつもなく高いことがわかりました。
しかしこれは、ゲーム機と比べているからそう感じてしまうのです。Steam Machine と同等スペックのゲーミング PC を購入しようとすると、実はもっとお金がかかります。
つまり Steam Machine はゲーム機ではなく、ゲーミング PC の延長線上にある製品であるということです。
Steam Machine を販売する Valve 社は、「Steam Machine を、PC ゲーミングの拡張として捉えており、家庭用ゲーム機とは考えていません」と言及していますし、実際 Steam Machine 上で Linux や Windows を動作させることも可能だそう。
Steam Hardware-Steam Machine本日発売!-Steamニュース
https://store.steampowered.com/news/group/45479024/view/685257114654870245
Steamサポート :: SteamOS/Steam Machineに関するよくある質問
https://help.steampowered.com/ja/faqs/view/79DC-B3D4-D352-A3CC
とはいえユーザー目線では、そのポジション的にやはりゲーム機として見てしまいますし、比較してしまいます。そうするとどうしても『高い』と感じざるを得ません。
これは誰に向けた製品なのか?

こんなに高いゲーム機 (ちょっとお得なゲーミング PC) は、果たしてどういったニーズを獲得するでしょうか。考えてみました。
まず一つに、Steam オタク。
Steam のゲームを大量に持っていて、セールでこれからも買い続けるような人。しかしそんな人って、大抵すでにゲーミング PC を所有しているような気がしますよね。
Steam Machine は比較的コンパクトなので、持ち運べる高コスパゲーミング PC としてみれば結構アリなのかもしれません。
次に、Steam 限定ゲームに価値を感じる人。
私も分類されるならここに位置したはずです。PS5 や Switch で遊べないインディー系や、早期アクセス、シミュレーション、Mod 前提のゲームが遊べるのは明確な強みです。
でもそのために 19 万円も注ぎ込めるのは、ごく一部でしょう。
最後に、Steam Machine というハードウェアに魅力を感じる人。
Steam Machine を文字通り PC と捉えて、さまざまな遊びを考えるようなギークな人もいることでしょう。私もその気持ちは分からんでもない。
でも結局、ゲーム機として見た時には割に合わない価格でもあります。
……とか言っていたら、ちゃんと完売しているのが恐ろしい。ゲーマーの熱意なのか、転売屋の餌食になったのか、果たして……。
だから私は、購入をやめた

というわけで、あんなに熱望していた Steam Machine でしたが、購入を見送ることにしました。
理由はただ一つ。高いから。
舐めていると思われるかもしれませんが、私の予算は 15 万円程度でした。PS5 Pro よりも、少し高いかな、くらいの価格帯。
しかし蓋を開けてみれば、箸にも棒にもかからないような高価格帯だったというわけ。憎いよ、円安。憎いよ、メモリ高騰。
まとめ
Steam Machine は、単純なゲーム機として見ると、かなり高価です。
オンライン プレイにサブスクが不要であることは事実ですが、本体が高すぎて、その元を取るには通常 PS5 相手で 20 年、Switch 2 なら数十年。
「サブスク不要だから安い」は、少なくとも価格の話としては成立しにくい、というのが今回の結論でした。
Steam Machine の正体は、既存のゲーム機の競合ではなくて、Steam ライブラリと PC ゲーム文化を、テレビに持ち込むための趣味のマシンと形容するのがちょうどいいのではないでしょうか。
だから判断の軸は「PS5 より安いか」ではなく、「自分が Steam 資産と PC ゲーム文化に、どれだけ価値を置いているか」だと思います。
そこにピンとこないなら、損益分岐を待つ必要すらありません。
私は今回、買わない方向に倒しました。お財布、守れてよかったです。




