もう戻れない。
Windows 95 時代から Windows とともに人生を歩んできたボク。自作はやるし、Surface シリーズは一通り手にした経験があり、初めて手にしたスマートフォンはもちろん Windows Mobile。当然 Windows に搭載されている各種機能もほぼほぼマスター。リアルや一部界隈では、自他ともに認める Microsoft 信者として知られていました。
そんなボクが、今や完全に Mac 信者と化してしまいました。プライベートだけでなく、なんと社用 PC まで Mac にしてしまうほど。家でも職場でもほぼほぼ Mac しか使っていません。
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Mac を使う理由を一言で表すなら「使いやすいから」に他ならないのですが、なぜ古来からの Windows オタクが突然 Mac 信者に変わってしまったのか、今回はその要因を紐解いていこうと思います。
そもそもなぜ Mac を買おうと思ったのか
ボクが Mac に初めて本格的に触れたのは、2019 年末に購入したときのこと。当時さまざまな事情が重なって、Mac が欲しいな〜という心境になっていたのです。
- 壊れた実家 PC の代替機として Surface Pro 4 を譲ったため、モバイル PC の持ち合わせがなくなった。
- iPhone、iPad 間の AirDrop がめちゃくちゃ便利。PC でも使いたかった。
- 職場ではいわゆる一人情シス。 Mac のサポート対応が求められることも増えていた。
- シンプルに Mac への興味があった。
こんな状況下でしたので、Apple 銀座に「えいやっ!」と乗り込み、ノリで購入したのがそもそもの始まり。当時最も廉価グレードだった、MacBook Air (Ratina、13-inch、2019) の最小構成を選んだのですが、これが個人的に大当たり。ほんの 2 週間程度しか使っていないにも関わらず、その使いやすさから同年のベストバイに選んでしまうほど、ハマってしまいました。
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いや、本当に使いやすくてびっくりしたんです。
Mac のここが使いやすい
割と細々としたポイントが並びます。PC は日用の道具ですから、言ってしまえばそういった細かい部分の使いやすさの積み重ねが、使いやすいと感じるかどうかの判断に大きく影響を与えるのでしょう。
Finder が神
Finder とは、Mac に標準搭載されているファイルマネージャーのこと。Windows でいうところの Explorer ですね。Finder は最も気に入っている Mac の機能の一つといっても過言ではありません。Finder で選べる 4 種類の表示形式のうち、中でも「カラム」の表示形式の使い勝手が抜群なのです。
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Windows ではディレクトリごとに Explorer の画面が切り替わり、基本的に今いるディレクトリ内の項目しか見ることができません。
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ところが、Finder であればディレクトリをぶっちぎって表示ができます。自分が今どこにいるのか一目でわかるし、ファイルやフォルダの移動、コピーも一瞬で作業完了できます。ウルトラ便利。
Finder の優れた点はこれだけではありません。Finder 上でスペースキーを押すことで、ファイルのプレビューを一瞬にして表示することができる、「クイックルック」と呼ばれるとんでもない神機能が搭載されています。画像ファイルだろうが、ドキュメントファイルだろうが、PDF だろうが基本的になんでも表示可能。これがあまりに便利すぎる。
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Windows ではいちいちファイルを開いて中身を確認する必要があるところ、十字キーをポンポンと押すだけで次々にファイルの中身を確認できるのです。作業効率が爆あがりというものです。
Windows でも拡張機能を入れれば再現不可ではないものの、Mac ほどスムーズな描写はできません。たとえハイスペック機種であったとしても、最廉価 MacBook Air の方が圧倒的に素早く表示されます。一体どんな技術でこれが実現されているのかさっぱりわかりません。とにかく神。
ライブ変換機能が神
漢字やカタカナへの変換は、スペースキーもしくは F7 などのキーを押して行うのが当たり前。そう思っていませんか?
なんと Mac は、ただただキータイピングをしているだけで、勝手に変換してくれるのです。それがライブ変換機能。一生ホームポジションから手を動かさずにタイピングをし続けられるというわけ。
ボクは人の話を全く覚えることができないので、仕事で商談やミーティングの内容をリアルタイムに書き起こしています。Mac を使うことによってこの書き起こし作業をはじめとするタイピング作業全般が、著しく快適になりました。
実際に書き起こしを見ていると、変換の精度はまあまあそれなりといったところ。意図せぬ変換がされている箇所は一定数見つかるものの、よほど気になる部分は当然後から修正がききますから、タイピング効率を高めてくれる神機能として愛用しています。
ライブ変換になれ切った状態で久しぶりに Windows を使用すると、気付かぬうちにひらがなが大量に並んだ状態になることがしばしば。完全にこの便利さに依存してしまったようです。
フォントの綺麗さ、豊富さが神
これはよく言われているのでみなさんご存知のことでしょう。Mac のフォントはとにかくめちゃくちゃ綺麗です。
ここに、Windows 代表として Surface Book 2 のスクリーンショットを用意しました。ディスプレイサイズ 13.5 インチ、解像度 3000 x 2000 px、267 ppi (ピクセル・パー・インチ) の化け物です。
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続いて MacBook Air (M1、2020) のスクリーンショットです。こちらはディスプレイサイズ 13.3 インチ、2,560 x 1,600 px、227 ppi と、Surface Book 2 に劣るスペックとなっています。
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お分かりいただけましたでしょうか。ppi ではくつがえしきれないフォントの綺麗さが Mac にはあるわけです。PC で作業をするには、その間ディスプレイを見続けなければなりません。ずーーーっと見続けるわけですから、当然画面は綺麗な方が気持ちいいに決まっています。
綺麗なだけでなく、Mac は標準搭載されているフォントの数が豊富です。特に「ヒラギノ角ゴシック体」をはじめとする、それなりに見た目のいいフォントが多いため、画像編集や動画編集時に余計な手間やお金をかけずに済みます。地味ながら、これもありがたいポイントの一つです。
Ture Tone でディスプレイが眩しくないのが神
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True Tone とは、周囲の光に合わせてディスプレイの色や明度を調整し、画像をより自然に映し出してくれる機能のこと。
ボクは割と光量に敏感で、明るい環境やディスプレイがあまり得意ではありません。そのため部屋には割と暗めな照明を使っているのですが、PC のディスプレイから発せられる光は輝度は最低値に設定していても眩しく、たまったものではありませんでした。
True Tone の導入によって、これが割と改善されました。True Tone がディスプレイの輝度調整のほか、たとえば暗い場所では白色が暖色寄りの柔らかめな白に自動調整してくれるなど、とにかく目に突き刺さらない感じの発光にしてくれます。
きちんと色を管理して制作物を作るプロのクリエイターには不要な機能かもしれませんが、ボクにとってはめちゃくちゃ目に優しく最高だと感じる機能のうちの一つです。
そのほか細かな好きなところ
トラックパッド 3 本指でドラッグができる
トラックパッドを使っていると地味に面倒くさい作業の一つ、「ドラッグ & ドロップ」。左手の指でクリックホールドしつつ、右手の指でスライド……。操作が複雑なんじゃーーー! 途中でどちらかの指の認識が外れ、わけわからないところに移動させてしまった日にはストレスが半端じゃありません。
Mac は 3 本指でトラックパッドをスライドさせるだけで、ドラッグ & ドロップの作業を行うことができます。片手でドラッグ & ドロップが完遂するんですよ。これもう革命では。
「システム環境設定」> [アクセシビリティ] > [ポインタコントロール] > [トラックパッドオプション] > 「ドラッグを有効にする」から「3 本指のドラッグ」を選択することで有効化できます。
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スクリーンショット機能が使いやすい
Windows では「Windows キー」+「Shift」+「S」でスクリーンショットが撮影できますが、保存先はクリップボードなんですよね。スクリーンショットを画像として直接保存するためには、アプリ「切り取り & スケッチ」を使う必要があります。
Mac はショートカットキーの組み合わせによって、クリップボードへの保存か、デスクトップへの直接の保存かを選択することができます。資料作成時など、デスクトップへ直接保存できると何かと便利だったりするので、この機能はとても重宝しています。
Apple エコシステムがめちゃくちゃ便利
やはり AirDrop がとにかく便利。Windows 時代はクラウドストレージやメールや Slack などの添付でデバイス間のファイルのやりとりを行なっていたところが、AirDrop を使うことで一瞬で片付きます。これだけで無限に工数を削減できている感さえあります。
カレンダーやリマインダーなども全て純正アプリ内で完結できるのも、導入アプリケーションを最小限にしたいボクからすると非常に Good なポイントです。デフォルトのメールアプリもとっても使いやすい。
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Apple Watch をつけていれば、勝手にログインしてくれる点もとてもいいです。楽なのにセキュア。これもうわかんねえな。
ログイン方法という側面でいうと、MacBook シリーズの指紋認証精度の高さも地味に素晴らしいポイントです。HP 製 PC の指紋認証も使ったことがありますが、あちらはちょっとでも指の位置がずれたりすると全く認識してくれません。Mac の指紋認証は指をかなり雑に置いてもほぼ 100 % 認識してくれます。最高にストレスフリーです。
バタフライキーボードが神 (だった)
あまり共感されないのですが、ボク個人としては 2019 年当時 MacBook シリーズに搭載されていたバタフライキーボードがめちゃくちゃ好きでした。ほぼ力を入れずともタイピングでき、キーピッチも狭めと、完全にボク好みの仕様。現在のシザー型には流石に慣れてきたものの、いまだに誤タイプが頻発するので、やはりバタフライに戻せるなら戻して欲しいと思っています。
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インターフェイスが格好いい、使いやすい
これは完全に好みの問題ですね。Windows 10 のインターフェースはのっぺりしすぎていて、正直使いづらいです。ダサいとは思わないのですけれど。
Mac のここが使いにくい
とはいえ、もちろん Mac にもいくつか不満はあります。
三本指タップが使えない
Windows は設定で、トラックパッドに「中クリック」の効果を付与することができます。ところが、Mac ではこれができません。
中クリックは Web ブラウジングを行う際に、特に重要な機能の一つ。リンクを中クリックすることによって、ワンアクションで新しいタブでリンク先を表示することができます。トラックパッドで中クリックできない Mac ではいちいち、リンクを右クリック → [新しいタブで開く] をクリックする必要がありますから、ここは許し難いマイナスポイントです。
これ以外にもトラックパッドの設定幅が狭い印象で、あまり自分好みにカスタマイズさせてくれない感があります。
なお、Windows の 3 本指タップ設定方法は、「設定」> [デバイス] > [タッチパッド] >「3 本指ジェスチャ」>「タップ」から「マウスの中央ボタン」を選択すれば OK です。
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デスクトップ音声の録音ができない
Mac にデフォルトで搭載されている画面収録機能でも、OBS などのサードパーティ製アプリを使っても、Mac から流れる音声を録音することはできません。何もそこまでセキュリティを強固にしなくても……。
録音を可能にするためには、専用のサードパーティ製アプリが必須になります。できるだけ不要なアプリは入れたくないので、うーんって感じです……。
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「command」+「Tab」の挙動がうざい
Windows でいう「Alt」+「Tab」に相当するキーボードショートカット操作です。
Mac でこの操作を行うと、Windows と同様にウィンドウの切り替えができるのですが、厳密にはウィンドウではなく、アプリを切り替えてしまいます。そのため、「参照元の PowerPoint ファイルからテキストボックスをコピーして、別の PowerPoint ファイルにペーストする」といった、別ウィンドウの同一アプリで完結させなければならない作業が地味に面倒くさかったりします。
もちろん解決策はあって、「command」+「F1」で同一アプリ内でのウィンドウ切り替えができます。でもね、遠いんですよ。command キーと F1 キー同士の位置が。できれば Tab キーで完結させたかったというのが本音です。
この辺りは Windows に慣れ切っているからこその不満なのだと思います。
「PC の OS は慣れている方を選ぶべき」は本当なのか?
「きのこたけのこ戦争」さながらに答えの出ない論争「Windows と Mac どっちを選ぶか問題」。しばしば「慣れている方を選ぶべき」という無難な締めくくりをしている記事を見かけますが、本当にそうでしょうか。
少なくともボクは、2019 年末に衝撃的な Mac との出会いを迎え、見事に Windows から鞍替えするに至りました。たまたまボクが Windows → Mac という流れであっただけで、この逆に「Mac を使い続けていたものの、実は Windows の方が使いやすかった!」という方もいらっしゃるかもしれません。
昔と比べ、PC は手頃な価格でそれなりにいいスペックのものが手に入る時代になりました。もし PC の買い替えを検討しているなら、思い切って今までとは違った OS に挑戦してみるのも面白いかもしれませんよ。